●40代では10人のうち8人が歯周病


歯医者さんが好きな人って、まずいませんね。歯が痛くてもあまり行きたくないのに、歯が痛くなければ行く必要はない、と思う人は大多数のはず。

ですがもし、歯みがきをして歯ぐきから血が出ることがあれば、すでに歯周病になっている可能性が。

40代って、歯周病が身近になってくるお年頃なんです。

 

歯ぐきからの出血や腫れといった歯周病の初期症状は軽く見られがちですが、実はほかの不具合で歯医者に行ってみたら歯周病だった…ということがとても多いのだそうです。

厚生労働省の調査によると、35~44才の27%が中度以上の歯周炎、歯肉炎を含めると81.2%の人が歯周病にかかっています(*1)。言いかえると、40代では10人に8人が歯周病にかかっているということになります。

 

歯周病は、自然に治るということはありません。放っておくと進行し、悪化します。

重症になると、歯を支える骨が溶けて、歯が抜けてしまいます。

 

統計によると歯が抜け始める人が増えるのは40代から。そして、40代で歯を失う理由ナンバー1が歯周病です。

もう少し細かくみると、40~44才では虫歯が1位、歯周病が2位ですが、45~49才で逆転し、歯が抜ける原因の歯周病が1位に。

その後、歯周病が抜歯原因のトップを独走することになります(*2)。

 

歯は1本が抜けると他の歯に負担がかかって、さらに抜けてしまうのだそうです。

放っておくと年齢を重ねるにつれ、失う歯の数がどんどん増えてしまう…つまり40代こそ、歯周病に敏感にならなければなりません。

 

●歯周病とは


歯周病の主な原因は、プラーク(歯垢)に含まれる細菌「歯周病菌」です。

 

食事の後、歯みがきをしてもみがき残しのカスがあれば、それがプラークとなります。

プラークは歯周病を引き起こす細菌、「歯周病菌」を多く含み、ネバネバしていて、歯のすき間や歯と歯ぐきの間によくたまります。

そして、時間がたつと歯石へと変化し、さらにプラークが付きやすくなり、歯周病菌の「巣」になってしまうのです。

 

歯周病菌に感染すると、歯肉(歯ぐき)に炎症を起こし、歯と歯ぐきの間に歯周ポケットができて少しずつ深くなります(歯周炎の状態)

進行の程度は、歯周ポケットの深さにより次のように診断されます。

 

・軽度の「歯肉炎」は3ミリ以内、

・中度の「歯周炎」は4ミリ~6ミリ

・重度の「歯周炎」(歯槽膿漏)は6ミリ以上

 

なお、歯周炎まで進行すると、歯を支える骨「歯槽骨」が少しずつ溶け始めます。

そして、重度になると歯槽骨や歯ぐきの破壊がすすんで歯がグラグラになります。

さらに進行すると、歯を抜かなくてはいけない状態になります。

 

歯周病の疑いがある場合、歯医者さんではまず歯周ポケットの状態をチェックします。

さらに、歯のレントゲンを撮り、歯と歯を支えている骨の状態を調べます。

 

●みがいてるようで みがけてない


歯周病の進行を防ぐ有効な手段は、なんといっても「歯みがき」です。

歯周病と診断された場合、歯科衛生士さんが歯に「染め出し液」を塗って、みがき残しをチェックします。

みがき残しの部分は赤く浮き出てきます。たいていの人は歯が赤々と染まっていて、「歯医者さんに来る前に歯をみがいてきたのに!」と驚くのだそうです。

 

みがき残しが多いのはまず奥歯。そして、歯と歯の間。さらに、歯と歯ぐきの境目。

これらが特に注意すべきところです。歯の裏側や、歯と歯のかみ合わせ部分もみがき残しが多いそうです。自己流ではなかなか適切にみがけません。

 

歯の状態を確認した後に、歯科衛生士さんによるブラッシング指導があります。

実際にどうやったら赤い部分が落ちるのか見せてもらえますので、しっかりと覚えましょう。

また歯ブラシの使い方だけでなく、歯と歯の間をきれいにする歯間ブラシやフロスの使い方も教えてもらえます。

 

●歯医者さんへ行こう


歯周病は、進行すると歯が抜けてしまう恐ろしい病気ですが、適切な治療と歯みがきによって軽度の場合は治りますし、中度の場合でも軽快します。

 

歯医者さんの治療では、軽~中度の場合、歯石をとることが中心となります。

歯石は歯周病菌が繁殖するもとになりますが、歯みがきではとることができません。

 

歯周病と診断されたら、治療のために歯医者さんにきちんと通いましょう。

歯周ポケットが4ミリ程度であれば、歯石とりや適切なブラッシングで回復することは可能です。

その後、歯医者さんに定期的通ってメンテナンスを受ければ、良い状態を保つことができます。

 

●セルフケアもしっかりと


ブラッシング指導を受けて歯みがきが上手になると、多くの人が歯みがきにハマるそうです。

まず、自分の口に合った歯ブラシで、奥歯、歯と歯が重なっているところ、かみ合わせの部分などに注意して、歯の表面にブラシがきちんとあたるようにみがきます。

みがき残しが起こりやすい歯と歯の間はフロスや歯間ブラシ、歯と歯ぐきの境目は、先端が細いタフトブラシなどを使うと効果的です。

最後に、うがい薬で口をすすいで出来上がりです。

 

歯みがきがもっとも効果的なのは、夜寝る前。

寝ている間は、抗菌効果のあるだ液が少なくなるため、歯周病菌が増えるからです。

そして、朝起きてすぐの歯みがきも大切。

これは、睡眠中に増えた歯周病菌を体内にとりこまないようにする効果があります。

昼間はだ液の分泌が多いため、朝食後と昼食後は、エチケットのためにみがくので十分といわれています。

 
入れ歯になってしまうと、あのお店のフレンチや、あのホテルのイタリアンも楽しめなくなりますので、今のうちからしっかりケアしておきたいところ。

また、1日の終わりに歯をしっかりみがくと気分転換にもなりますし、寝る前に何か食べようと思わなくなってダイエットもできるかも。

 

【参考】

*1

厚生労働省 歯の健康

 

*2

永久歯の抜歯原因調査 報告書 – 8020推進財団