●不足しがちなビタミンD

 

骨をつくるのに欠かせないのがビタミンDです。

カルシウムやリンの吸収をスムーズにするはたらきがあります。

また、免疫作用を高めたり、筋肉の発達に影響するといわれています。

これが不足すると、くる病や骨粗しょう症など骨に関する病気を引き起こします。

また、甲状腺機能亢進症などの免疫系の病気や高血圧や歯周病などさまざまな病気にかかりやすくなる、といわれています。

ビタミンDは、紫外線を浴びると皮膚の中で生成されます。

食品では、魚などに多く含まれています。

かつて日本人は日光によくあたり魚も多く食べていたので、ビタミンDが足りている人は多かったのですが、食生活や生活様式が変わったことによって、最近では不足しがちです。

特に女性は不足がちになる傾向があります。なかでも美白のために紫外線をしっかり防いでいる女性は、ビタミンD不足に要注意です。

 

●紫外線とビタミンD


ビタミンDの必要量の大部分は紫外線にあたってつくられます。

成人が1日あたり必要とする量の目安は5.5 μgとされています。では、どのくらいの時間、日光にあたればよいのでしょうか。

紫外線は南の方が強く、北にいくほど弱まります。

また、季節や日中の時間帯によっても紫外線の量は変化します。

国立環境研究所では「ビタミンDを1日に5.5 μg体内でつくるために、どのくらい時間、日光を浴びればよいか」という研究をしました。

札幌・つくば・那覇の3か所で7月と12月に、それぞれ午前9時・12時・午後3時の晴天下での紫外線量を測り、ビタミンD の生成量を解析しました。

顔と手(の面積分)を紫外線にさらしている、という前提です。

それによると、7月の那覇の12時では、2.9分で必要なだけのビタミンDを生成できるそうです。

つくばでは3.5分 札幌では4.6分です。いずれの地域でも午前9時、午後3時ともに10分ぐらい外に出ていれば必要量に達しました。夏は短い時間で十分です。

 

でも、冬になると大変です。

たとえば札幌では、お昼の12時には74分も外に出ている必要があります。

ちなみに午前9時では497分、午後3時ではなんと2741分でした。こうなると、とても現実的ではありませんね。
つくばの12時で22分、那覇で7分、こちらはそれほど無理な数字ではないかもしれません。

それでも、つくばでは午前9時に100分以上、午後3時に271分となりますので、冬は紫外線が相当弱くなる、と考えられますね。

 

ところで、「紫外線」の中でもビタミンDの生成に必要なのはB波です。

B波は「肌が赤くなる」日焼けの原因になり、A波よりもエネルギーが強いため、長く浴びているとお肌にはよくありません。

また、波長が弱いので窓ガラスは通り抜けにくく、ガラスごしに太陽の光を浴びても、「色が黒くなる」A波ばかり浴びることになり、ビタミンDの生成にはほとんど役にたちません。

ただ、ビタミンDは皮膚のどこででも生成できますので、顔は紫外線をブロックして日光浴をする、あるいは手の平の方に光をあてる、という工夫をすると良いと思います。


●ビタミンDが多く含まれる食べ物

 

最近は美白意識の高まりで、紫外線はとにかく悪者扱いされがち。積極的に紫外線を浴びるのはかなり抵抗がありますよね。

そんな時には食事で、しっかりビタミンDを取りましょう。

ビタミンDを多く含む食品は次の通りです。(食品100gあたりのビタミンD 単位μg)

 

・魚
サケ19.2 ウナギのかば焼き19 イカナゴ(生)15 サンマ11.4 ヒラメ10.8 シラス干し10

 

・きのこ
干ししいたけ16 きくらげ4.4 しいたけ(生)2.2 えのきだけ1.3

 

・そのほか
卵3 合鴨3.5 豚ロース0.8

 

成人の1日あたりの必要量の目安が5.5μgです。

毎日でなくても意識して魚を食べれば、必要量を達成できそうですね。

干ししいたけはビタミンDが多く含まれているように見えますが、乾物の状態での100gです。卵の場合は、ビタミンDは卵黄に含まれていて、卵白には含まれていません。

 

ところで、ビタミンDをサプリメントでおぎなうことには注意が必要です。

ビタミンDは脂溶性のビタミンなので、脂肪にある程度ためることができます。

しかし過剰になると血液中にあふれ出し、血中のカルシウム濃度を上げてしまい高カルシウム血症を引き起こします。

すると腎臓の機能を低下させたり、血管を縮めたりします。

そのためビタミンDには1日あたり50μという限度量が決められています。いくつかのビタミン剤を併用してとると、うっかり限度量オーバーになることがあります。

 

カルシウムを吸収しやすくするビタミンD。

骨そしょう症を防止したり、体調を整えるためにはとても大切です。

毎日の生活の中で、日光浴や食事などを工夫して上手にとるようにしてくださいね。