日々お仕事をバリバリこなしていらっしゃる40世代の皆さま、いかがお過ごしですか?

「企画書作成しなくちゃ」「あ、忘れてた!えー、午後の会議の資料は…」と、次々に迫りくる業務を、脳を高速回転させて処理していらっしゃることと思います。

 

頭の中には常に「コトバ」が溢れかえり、少々過熱気味ではありませんか?

ストレスもたまってしまいますよね。ゆっくり自分自身をふりかえってみることもままならない…。

 

そんなとき「瞑想」で「コトバ」をシャットアウトしてみる…というのもひとつの手ですが、意外に効果的のは「ピアノレッスン」です。

ここで登場するのは、30代後半からピアノレッスンを再開させ、今や「生まれ変わったらピアニストになろう」とひそかに決心しているとある女性。

今回はその方に、大人のピアノレッスンの思わぬ効能について、語っていただきます。

 

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私、子供のころは大の練習嫌いで、受験を口実にピアノのレッスンから解放された時にはホッとしたほどだったのに、最近の自分の変化には自分自身驚いています。

 

なぜここまで変わったのか?

 

それはピアノを弾くことで、新たな自分と出会い、成長する喜びを知り、仕事や日々の生活がより豊かになったからです。

 

実は、ピアノに向かってコトバのない音楽の世界に浸るとき、無限に広がる心の世界を旅することができます。

余計なことを考えず、仕事や人間関係からも解放されて、ピアノと向き合う。

それは、自分自身の深みへ分け入っていく至福の時間でもあります。

 

子供のころ憧れだったオトナっぽい曲、映画で流れていた名曲を奏でながら、自分自身を見つめ直す。

それはきっと、あなた自身の内面に奥行きのある世界を創造し、人間的な魅力を増してくれる素敵な営みに違いありません。

今回は私が感じた「大人のピアノレッスン効果」を三つご紹介いたします。

 

 

ピアノレッスン効果① ”進歩”から”自信”へ

 

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私は「実家に戻った時に暇だった」というだけの理由で、古い楽譜を引っ張り出してピアノにさわってみました。

 

当然のことながら、ピアノ以上に錆ついていたのは私の指(と頭)。

とにかく指は動かない、楽譜をよむのは面倒くさい。

オトナになってまで音階練習はやりたくない。

簡単な曲さえ弾ける気がしないのに、弾きたい曲はベートーヴェンのピアノソナタというワガママぶり。

しかし、何と約1年かけて、1小節、1小節。音符と悪戦苦闘しながらも、楽譜を音にできるまでになったのです。

 

なぜ、こんなに根気よく続けられ、弾けるようになったのでしょうか。

それは、動かなかった指が少しずつ、少しずつ動くようになり、やがてメロディーを奏でるようになっていくのを日々、たしかに実感できる喜びがあったからです。(リハビリか!)

弾ける曲は徐々に増え、このごろは若い頃には弾けなかった曲にも挑戦しています。

 

人間、アラフォーといえば衰えを感じ始めるとき。

けれどもピアノを通して、まだまだ「できることが増える」「技術が進歩する」と、身をもって体験できました。

「やればできる」は本当です。

いくつになっても可能性は広がるものだという自信。

その自信が、仕事でくじけそうになった時の支えにもなっています。

 

 

ピアノレッスン効果② 集中とリラックス

 

ピアノがうまく弾けず、どんなにもどかしくても、終わればいつもスポーツで汗を流した後のようなすっきりした気分になれるのは、ちょっと不思議です。

 

レッスンしている時間は、余計なことを考えません。

 

楽譜に表された作曲家の意図をピアノという楽器で演奏するには、目や耳、指だけでなく、足や呼吸器を含む体全体も、心も使います。

「コトバ」を介した雑念が入りこむ隙はありません。

気づかないうちに集中していて、そして終わればリラックスできるので、心地よい感覚に包まれます。

 

一説には、「ピアノは右脳も左脳も両方使うからいい」とも言われます。

専門的なことはわかりませんが、両方の脳を使い、一気に集中することで、脳内にα波が出やすくなるのかもしれません。

音楽そのものに癒し効果があることも、ご存じのとおりでしょう。

 

私たちの日常は「コトバ」や情報に支配されてしまい、それ故にストレスを感じることが多いように思います。

ピアノと向き合うことで別の空間へ誘われ、癒され、それによってまた日常に戻った時、持てる力を存分に発揮して仕事にうちこめるのではないでしょうか。

 

 

ピアノレッスン効果③ じぶん発見

 

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ピアノ演奏は、楽譜に込められた作曲家の表現意図をくみとって楽器で再現するものではありますが、やはりそこに「自分自身」が表現されます。

 

というとちょっとカタイ感じがしてしまいますが、簡単に言えば「個性」が、もっとぶっちゃけて言うと「クセ」が出てしまうものです。

 

私はしょっちゅう先生に

「今日は落ち着きがないようね」

「なんだかムラがあるわね」

「呼吸が浅くて、このあたり、ためが足りないかな」

といったキビシイご指摘をいただいています。

その言葉が、まさに「おっしゃる通り」なので、ドキッ!悲しいかな、演奏に「イヤな自分」が出てしまうのですね。

 

もしもこれが会社の上司からの指摘だったら、素直に受け入れることは難しいかもしれませんが、ピアノでは「弟子」という立場なので、「あ、私、ぼんやりしてる」「そういえば、人前で話す時にも、ちょっとせっかちなところがあるなあ。気をつけよう」と、すんなり指摘を受け入れられます。

そして、素直に改善の努力に気持ちが向いていきます。

 

最近では、自分で弾きながら心の状態をキャッチして、セルフコントロールに役立てています。

人は年齢とともに自信が深まりますが、一方で心はかたくなになり、つい、古いスタイルに固執してしまいがちになりますね。

けれども音楽の「美しさ」「芸術的な表現」を追い求めたいという思いの前では、「頑固さ」は邪魔なだけです。

それは、生活全般にも通じるものだと思います。

捨てるべきものは潔く捨て、残すべき「私らしさ」を大切にして、美しく年を重ねていきたい・・・なんて思います。

 

さて、音楽そのものとはちょっと違った観点から、ピアノレッスンの魅力についてお伝えしてみましたが、いかがでしたでしょうか。

ピアノを通して自分自身と対話することができるのは、まさに「大人のレッスン」ならではの醍醐味だと思います。

日常の喧騒にちょっと疲れたら、実家に置き去りになっているピアノを触ってみたり、近所のピアノ教室の門をたたいてみるのもいいかもしれませんね。