■ひとり飲みで、自分に戻ろう

~ひとり飲みを楽しむ日本酒講座1(日本酒の種類)

 

皆さんこんにちは。酒器屋.comオーナー、酒器ソムリエの深野 ちひろです。

 

「日本酒って、なんだかわかりにくい」

そんな声をよく聞きます。
たしかに居酒屋や料理屋さんで飲むのなら、お料理に合うお酒を聞いたり、

そのお店のおすすめがあったりするので、まあなんとかなるでしょうけど、

酒屋さんで買うとなったら、大海原にたった独りでボートで漕ぎ出したかのような。。。種類が多過ぎ!

そうなんです。

日本酒の製造元は全国に1200軒以上ありますし、お酒の種類(銘柄)は4万とも5万ともいわれているのです。

その中から自分好みをお酒を見つけるなんて、至難の業なんじゃないとか思いますよね。

 

でもちょっと前々回のお話を思い出していただきたいのですが、

日本酒にはいわゆる高級酒を示す「特定名称酒」というのがありまして、

これは全体の生産量の3割くらいなんですね。

なのでとりあえずこの「特定名称酒」に限れば、1万種類ちょっとです。(これでも十分多いですが)

 

最近は日本酒ブームだとかで、特に美容にいいというので女性がお酒を好む傾向にあって、

雑誌やテレビで日本酒がよく取り上げられています。

ちょうど新酒が出回るこの季節は、特ににぎやかです。

だったら雑誌に取り上げられているお酒を買えばいいかと思うかもしれませんが、

そういったマスコミにとりあげられる日本酒は人気があって品薄だったりするのです。

しかも日本酒には季節があるので、時期が違うと売っていなかったりもします。

 

なので、できれば自分で選べるようになりたい!

という方のために、2つのコツをお伝えします。

それは、お酒のカテゴリー(値段もほぼ比例します)に注目するか、原料に注目するかです。

 

まずは、お酒のカテゴリーです。
さきほどもお話したように、日本酒は「特定名称酒」と「普通酒」の2つに分けられます。

特定名称酒は、原料や製造法、精米歩合などによって、さらに8つに分類されます。

 

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特定名称酒は、原料に醸造アルコールが加えられているかいないかで大きく2つのタイプに分かれます。

米と米麹だけから造られるお酒が「純米酒」タイプ、アルコールが添加されているものは「本醸造酒」タイプです。

「純米酒」タイプには、「純米」という文字が必ず入っています。

 

アルコールを添加するというと、まがい物であるとか、体に良くないのではないかという印象をもたれる方もいるかもしれませんが、

けっしてそのようなことはなく、飲み口がシャープになり、味わいがスリムになるのです。

しかも同じクラスの純米系に比べると、ちょっとお値段が安いです。

ちなみに私は「吟醸酒」が好きです。実はコストパフォーマンスがいいのです。

 

この2つのタイプは、原料となる米の磨き具合(精米歩合)などによって、それぞれ4段階に分けられます。

この4段階は吟醸造りがそうでないかで大きく2つに分けられます。

つまり、純米系かそうでないか、吟醸造りかそうでないかの4つをチェックすると特定名称酒はわかりやすいです。

 

ちなみに「精米歩合」というのは、白米のその玄米に対する重量の割合をいいます。

精米歩合60%というときには、玄米の表層部を40%削り取ることをいいます。

数字が小さい方がランクが高くなり、値段も高くなります。

 

「吟醸造り」とは、吟味して醸造することで特有な芳香(吟香)を出すように醸造することをいいます。

精米歩合が高くなるほど雑味がなくなり、軽快でクリアな味わいになります。

 

純米酒タイプの風味の傾向は以下となります。
・米の旨みが生きていて、濃醇
・飲み口がまろやか
・香りより味が立ち、コクがある

 

本醸造酒タイプの風味の傾向は以下となります。
・すっきりとした味わいで、さわやか
・辛口になる傾向が強い
・香りが高く、味とのバランスが良い

 

特定名称は、ラベルに記載されていますので、まずはこれをチェックです。ポイントは「純米」という字が書いてあるかです。

 

2つ目のコツの原料ですが、これはシンプルです。米と水です。
お米は酒造好適米といって、お酒造りに適した米があります。

もちろん種類は多いですが、「山田錦」とか「雄町」といった有名どころを押さえておくといいです。

ただし日本酒の場合、ブドウの品種ほど原料の味はダイレクトに出ませんので、あくまでも目安と思ってください。

(お米については、次回詳しくお話しさせていただきます)

 

お水もしかりです。

大きく軟水か硬水かで分けられますが、日本酒の製造工程は複雑なので、同じ原料を使ったからといって同じ味にはなりません。

これが日本酒の魅力でもあり、わかりにくさでもあるのです。

 

この季節、新酒が登場して日本酒業界は盛り上がっています。

若い蔵元さんたちも頑張って、色々な試みをしています。

分かりにくいと敬遠せずに、ぜひ気軽に楽しんでいただきたいです。

 

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深野 ちひろ さん ha_20140820_fukano

酒器屋.comオーナー/酒器ソムリエ


大学卒業後、大手電機メーカーに就職。OL時代はフランス料理とワインの魅力に惹かれ、フランス中を旅行。その反動もあってか次第に日本の良さに目覚め、日本酒の輸出・卸の会社へ。アメリカ・イギリス・アジア各国の日本酒事情の調査や視察を行う。飲食店の企画をした際、小鹿田・有田・唐津・輪島塗の酒器に出会い、感銘を受ける。その後、独立して酒器のネットショップを手がけるとともに、日本酒と日本文化の魅力をネットで発信している。趣味は神社めぐり。日本文学専攻。

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