今回ご登場いただくのは、50歳という節目に、それまでの長い専業主婦生活から起業しエステサロンオーナーとなった七美 こず衣さん。
今では施術だけではなく、同じくエステを学びたいという方への指導の他、おとなのおけいこ塾『七美塾』を主宰するなど、活躍の場を広げていらっしゃいます。
そんな七美さんに、自分らしい生き方についてお話いただきました。
-20年の専業主婦の後に起業というのは思い切った選択ですが、もともとエステに縁はあったのですか?
「いいえ、まったく。独身の時はショップ店員やデパートのスタイリスト業務など、洋服に関わる仕事をしていました。
服がとても好きだったので、はじめは洋服のセレクトショップを開こうかと思っていたんですが、立ち上げるのにたくさんの資金も必要だったので、手に職をつけて働けるエステティシャンになりました」
-そもそもなぜ、起業しようと思ったのでしょう?
「二人の息子が大学生、高校生になったので、そろそろ完全な母親業を卒業して、自分のしてみたいことをやろうと思うようになったのがきっかけですね。
でもエステは初心者ですから、一から勉強しました」
-最初、自由が丘にサロンを開かれたのですよね?
「ニューヨークの片隅にある小さな床屋さんのようなイメージで、かなりアメリカンな雰囲気のサロンでした。それが目を引いたのか、たくさんの方にご来店いただきました。
同時に毎月『自由が丘ランチ会』というものを開いていました。
このランチ会ではサロンのお客様などに集まっていただいて、普段の施術ではお伝えできない美容に関するお話をしていました。
そのうちそれを本格的に習いたいというご要望をいただいただくようになり、内容を凝縮してひとつにまとめたのが、『七美塾』です」
-『七美塾』ではどのようなことを教えていただけるのでしょうか?
「七美流の美肌メイク術、美脚リンパケア、顔ツボレッスンなどを、実習を交えながらお伝えしています。
マンツーマンレッスンなので、その方特有のお悩みや体質にあわせたお話ができますし、ご質問にもじっくりお答えできるのが特徴です。
エステティシャンとして独立したいという方には、サロン用の施術講習もあわせて行います」
-どんな方がいらしていますか?
「ブログなどで“大人の”と表記していることもあって、40代~50代の方が多いです。
私が50代ということもあって、近い世代の方にお越しいただけているように思います」
-美肌というと、とにかく白く塗って隠す印象がありますが・・・
「私の場合はシミにしてもシワにしても、まずはそれを肯定することからはじめます。それは自分が歩んできた人生の証ですから。
その上でポイントを絞ってコンシーラなどを使い、光と影のテクニックによってそれらを目立たなくします。
普段あまり使わない白のアイシャドウなんかも使いますよ。
リンパケアにしろ美肌メイクにしろ、私がお伝えする方法はとても簡単なので、皆さん驚かれますね。
メイクに使う化粧品なども特定のものではなく、ドラッグストアにあるリーズナブルな物を使いますので、皆さんに喜ばれます」
-シミやシワを肯定することから始めるというのは、自分を好きになることにもつなっていきそうですね。では最後にメッセージをいただけますか?
「メディアなどでも、女性進出という言葉が目立ちますが、それらに惑わされないで、しっかり自分の足元も見て行って欲しいです。
自分にとって何が大事で、どんなことを思えば輝けるのか人それぞれだと思います。
そのために一つの大きな目標を持ってそれに突き進むのもアリですが、いろいろ軌道修正していくのもアリだと思います。
今の頑張る女性を見ていると、ちょっと何かに「がんじがらめ」になってるかな?なんて思ったりもします。
気持ちに少し“ゆるさ”が持てたら、そんな自分の気持ちも楽になるのではないでしょうか」
◆編集部の一言 |
インタビューの最中、ゆるやかな口調でお話しいただいた七美さん。芯の強さはありまながらも、状況によってしなやかに対応していく柳のような女性なのではないか、と感じました。肩に力の入ったまま毎日を過ごす私たちにとって、見習うべき女性なのかもしれません。 |