みなさんこんにちは。

みなさんは、ケアマネージャー【介護支援専門員】という名前を聞かれたことありませんか?

資格紹介の広告等で耳にされた方も多いのではないでしょうか。

今回はそのケアマネ―ジャー(以下ケアマネ)の仕事の中身と関わり方についてお話します。

 

基本的な話になりますが、介護保険は医療と同じく点数制。

1ヶ月あたりの支給限度額が、利用者の要介護度に合わせて決められています。

 

●「在宅サービス」の利用限度額・自己負担額
1ヶ月あたりの利用限度額と自己負担額の目安

介護度 利用限度額 自己負担額
 要支援1 49,700円 4,970円
 要支援2 100,400円 10,040円
 要介護1 165,800円 16,580円
 要介護2 194,800円 19,480円
 要介護3 267,500円 26,750円
 要介護4 306,000円 30,600円
 要介護5 358,300円 35,830円

 

要支援1と認定された方は49,700円、要介護5と認定された方は358,300円が1ヶ月の上限となります。(1単位=10円)

この限られた金額の中で最適なケアプラン(介護の仕方)を組んでくれるのがケアマネです。

 

介護を始めるにあたっては、ケアマネに相談するのが最初の一歩になりますが

ケアマネは、市区町村の介護福祉課や地域包括支援センターで探すことができます。

(ちなみにこの地域包括支援センターは、身近な介護相談の基本です。各市区町村のHPなどで、最寄りのセンターがどこにあるかご確認下さい)

センターの方と相談しながら最適なケアマネを見つけたら、所属している事務所と居宅介護支援(ケアプランの作成や介護サービスの調整を行うこと)の契約を結びます。

 

その後、ケアプラン作成の為の打ち合わせへと進むわけですが、その際、以下の事項をきちんと伝えることが大切です。

 

1.介護にかけられるお金

2.家族のかけられる時間と時間帯

3.自分自身で出来ること出来ないこと

4.親族の協力体制

5.何に一番困っているか、最優先したい介助は何か

6.家庭の習慣

7.本人・家族の望むべき日常生活

8.介護保険外のサービス利用について

9.将来の施設介護の可能性について

 

お金の話しはしづらいと思いますが、正確に伝えることが、より実情に合ったケアプランの作成につながります。

またお金の問題は、介護保険外のサービス利用や将来の施設介護にまで関わってくるので、ご家族は簡単でもいいのでキャッシュフロー表をまとめ、毎月の収支と残高確認を行って下さい。

 

時間についても可能な限り明確に伝えましょう。

「毎日の出勤時間は8時だが、月曜は1時間早く出なければならない」

「定時は18時だがフレックス対応が可能」等。

本人だけでなく、介護する家族の都合もきちんと盛り込んでもらいましょう。

 

生活習慣は家庭によって千差万別。

一律の介護サービスでは当然不満感が出てきます。

「風呂は朝湯で湯船は少し熱めがいい」

「ペットとの散歩は続けたい」

「先祖の墓参りは月一回行きたい」等。

介護保険サービスでは認められていないことも多いですが、出来る限り調べて答えるのがケアマネの腕の見せ所です。

(杓子定規ではなく、実情・希望に合わせて親身に相談に乗ってくれるケアマネは信頼できます)

 

こうしてできたた原案を元に、利用者と家族、ケアマネ、介護サービス事業者との話し合い(サービス担当者会議)が行われます。

原案を修正し納得のいくものであればケアプランの完成。

毎月の介護サービスを受けていくなかで不都合があれば、プランの見直し・変更をかけていきます。

 

筆者の実弟もケアマネです。

彼に自分のセールスポイントを聞いたところ、「とにかくマメに訪問する」と言っていました。

実はケアマネについては介護保険法で、利用者さんへ月1回以上訪問することが義務付けられています(要介護者。要支援者は3ヶ月で1回以上)。

当然マメにお会いしていれば体調の変化等にも気付きやすくなり、ご本人のリクエストの変化にも柔軟に対応出来ます。

 

以前は一人のケアマネが担当出来る人数に制限がされていましたが、今はありません。

顧客にマメなセールスマンと同様、フットワーク良く対応してもらいたい方はマメなケアマネを選ぶ必要があります。

また私が思うに、一人のケアマネが担当できるのは多くても30名程度だと思います。

適正人数を超えると一人あたりに掛けられる時間が減ってしまうので、「何人ご担当されていますか?」と質問してみるのは大切だと思います。

 

介護保険は、「自分で出来ることは自分で行ってもらう」という本人の自立支援が基本です。

至れり尽くせりで王様の様に扱ってもらえるサービスは一見快適ですが、実はご本人の残存機能を奪うことになります。

ここに私たち介護現場のジレンマもあるのですが、どんなにゆっくりでも出来ることは自分で行っていただきます。例えば衣類の着脱や食事介助等です。

施設の運営効率を考えれば、スタッフが洋服を脱がせてしまったほうが早いのですが、ご自分で出来ることを奪ってしまい結果的に自分では服が脱げなくなってしまいます。

本来ケアマネも、このスタンスに立ってプランを作るのが基本なのですが、まれに、そうはならない場合があります。

私の遭遇した、利用者ではなく家族の要望を反映し過ぎた為、結果的に歩行機能が落ちてしまったケースをご紹介します。

 

認知症が進み、徘徊をするようになってきたお母さんと同居している娘さんがいました。

2階建て住宅にお住まいで、玄関が2階にありました。

日中は鍵を掛けて外に出ない様対応し、住宅補修費補助があったので将来必要になるからということで階段にリフトを付けられました。

このことが、お母さんの歩く機会を奪ってしまいました。

このお母様、落ちない様に支えればゆっくりでもご自身で昇り降りできる状態ではあったのですが

久しぶりにお会いした時は車椅子での生活になられており、生活全般の活動に補助が必要になってしまったのです。

 

ここから学ぶべきことは、ケアマネの作成したケアプランが家族にとっては楽であっても、お母さんのためになってはいなかったということです。

このケースの場合、介護器具導入時期が適切でなかったと言えると思います。

 

人と人ですから相性はありますし、どのような想いでケアプランを組み立てていくのかという、ケアマネ本人の資質にも違いがあります。

怠慢や不親切なケアマネは言うに及ばずですが、納得のいく介護が受けられなければ担当ケアマネを交代してもらう選択肢もあると知っておいて下さい。

 

吉田 要 さん koro_yoshida_2

獨協大学経済学部経営学科卒業 ファイナンシャルプランナー(AFP)
平成25年6月より介護マネーに特化したファイナンシャルプランナー事務所 レイズコンサルティング株式会社を開設。また東京都江東区内にてデイサービスホーム(通所介護施設)も運営し、実際の介護の現場にて多くの高齢者の方々の 介護援助も行っている。