みなさんこんにちは。
蒸し暑く雨の多い季節ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
この時期、介護に関わる人間としては自分のこと以上に、利用者さんのケアに気を遣うことが多くなります。
毎日のことですが施設の利用者さんを送迎に行く際、雨が降るととても大変です。
濡れて風邪をひかれると抵抗力が低い為若い方よりはるかに危険ですし、何より滑って危ないからです。
一瞬の気の緩みが思わぬ事故につながることもあるので、介護をされている皆さんもお気を付けになってください。
さて今回のテーマは、「介護の住環境」についてです。
突然ですが、皆様はどんな生活環境で過ごされていますか?
ご自身のマンションですか?賃貸ですか?親と同居ですか?人によってはシェアハウスの方もいらっしゃるかもしれませんね。
アラフォー世代というとバリバリ働く会社の最前線のイメージですが、会社までの通勤環境はとても大事ですよね。
転職を機に、通勤に便利な場所に引っ越した、なんていうケースもあるかと思います。
ですが今は「自分中心」の住環境も、家族で要介護者が出るとその環境は「介護者中心」にならざるを得ません。
同居で面倒を診なければならない方ですと、朝夕はデイサービス等への送り出しがあり夜はご自身で介助を行う。
別居の方で遠隔地にて親の介護を行う場合は定期的な訪問。自宅なのか施設なのかで訪問回数も変わってきます。
自分の代わりに介護を行ってくれる人の手配と進捗管理が必要になります。
さて、それらの全てに関わってくるのが介護の住環境であると言えると思います。
若い方と比べて行動範囲が極端に狭くなる高齢者は自宅の中で生活が主になります。
そうするとまず必要になるのは、自宅内の手すりの設置。
生活導線上には手すりがないと危険です。特に滑る危険性の高いお風呂場や玄関は必須です。
特に昔ながらの一軒家の場合は、玄関敷居の高さや和式トイレ、縁の高い風呂は足腰の弱い高齢者にとって想像以上に不便なものです。
正によく聞く「バリアフリー」が必要です。
このバリアフリー、言葉ではよく聞きますが正確な意味は?と聞かれると、
段差がない住宅…というイメージが最初に思い浮かぶと思います。
ただこれだけではなく高齢者、障害者、社会的弱者が生活の支障となる物理的な障害や、精神的な障壁を取り除くための施策を指します。
駅の多用途トイレやノンステップバス等も含まれます。
ではご家族で介護が必要な方が出てしまったと仮定します。
まだまだ初期の段階で、いきなり施設に入居するという選択肢は現実ではありません。その為自宅を介護使用に改修し在宅で看ていくことになりました。
代表的な改修を見てみましょう。
1.手すりの取り付け
玄関や廊下階段等歩く空間には必要となります。また玄関から道路まで外の手すりも必要なケースがあります。
2.段差の解消
引き戸レールや敷居の段差を除去してつまずき防止を行います。また車椅子の移動も楽になります。
3.トイレの取り換え
前述の通りです。便器の高さや、座位を保つ為に肘掛があるタイプが便利で、介護する側からすると陰洗の為ウォッシュレットタイプは有用です。
4. 扉の取り換え
介護現場での基本は引き戸です。開閉式ドアだと車椅子の場合大変不便です。また握力も低下するのでドアノブも扱いにくくなります。
5.風呂場の取り換え
大がかりな工事になると費用も係るので、福祉用具を活用し対応するケースが多いです。ex シャワーベンチ、入浴用手すり、滑り止めマット、バスボード等
上記のような改修が必要となってきます。金銭面の負担も大きくなるので、どこまで行うかは迷う部分だと思います。
「大切な両親の為に必要であれば取り付けるのは当然だ」という反面、
「家の中が手すりだらけで人を呼ぶのが恥ずかしい」といった意見も現実的に出てきます。
一度設置すると撤去するには新たなコストも掛かるので、十分な検討が必要です。
頭に入れておきたいのは、住宅の改修には介護費用の補助がある、ということです。
『居宅介護住宅改修費の支給』といって、要介護1~5の方が対象になるサービスです。
住宅の改修を行った場合、費用の9割が戻ってくる仕組み。費用の上限は20万円です(9割の18万円は申請後に返ってきますので、自己負担額は2万円です)。
ただしそれ以上は自己負担となります。
原則として支給されるのは1回のみですが、引っ越しなどにより再度利用できる場合もあります。
費用はいったん全額を支払い、その後で市区町村に申請をすることにより9割分が戻ってきます。
事前に市区町村の承認が必要ですので注意をしましょう。
どのように改修をしたほうがいいかについては、ケアマネージャーに相談を。
介護と住環境について詳しく知りたい方にお勧めなのが、『福祉住環境コーディネーター』という資格。
介護と建築リフォームの基礎を勉強することができます。
(私も勉強しました)
また、最新の介護関連機器を一か所で見るのにお勧めなのが、毎年10月1日前後に東京で開かれる福祉器具の国内最大見本市『国際福祉機器展』です。
福祉に携わる多くのメーカーが最先端の用具を展示し、実際に触れることが出来ます。
介護食品のサンプルやカタログ等が大量に手に入るので、私は小型スーツケース持参して見学するようにしています。
吉田 要 さん | ![]() |
|
獨協大学経済学部経営学科卒業 ファイナンシャルプランナー(AFP) |