みなさんはじめまして。
このコラムを担当するレイズコンサルティング株式会社代表の吉田 要です。
私の会社は介護と保険に特化したファイナンシャルプランニング業務を行っているのですが、最近はアラフォー女性からご相談を受けることが増えてきました。
介護などの問題が急に起こって、慌てていらっしゃるケースが多いんです。
そこでこのコラムでは、いざという時に慌てないように、親の介護についての基本的なポイントを、わかりやすく解説していきたいと思います。

現在私は36歳。両親は共に64歳で、来年には後期高齢者医療制度でいうところの前期高齢者(65~74歳)になります。年相応の体の変化も出てきて、車で病院に運んだこともありました。
いつまでも健康でいてほしいとは思うものの、「老けたなぁ」と思うことがしばしば。それはその筈。自分だって20代の時のようにオールでお酒飲むほどの体力はなくなってきています(涙)人は確実に年を取っていくのです。

介護には【親の介護】と【自身の介護】というふたつの側面がありますが、一般的に先にやって来るのは親の介護の方。
アラフォーの皆さんにとって、それほど遠くない未来に訪れる【親の介護】について知っておくことは損にはなりません。
また、遠い未来の話しと思っている【自身の介護】も必ず訪れる未来なので、今から始められる準備と知識をきちんと身に着けておくのがカシコイやり方です。

40歳以上の人は【公的介護保険制度】の、第2号被保険者という区分に該当します。
お勤めされている方は40歳になると、加入している健康保険料と共に介護保険料が給料天引きされます。(急に手取りが低くなった、と思ったら要チェック)
この支払はいったいいつまで?
これは64歳までで、65歳になると第1号被保険者となり区分は変わります。ですが、年金から天引きされ一生を終えるまで払っていくことになります。
保険料は加入している健康保険や自治体ごとに違うので、一度給料明細を確認されることをお勧め致します。

では、65歳以上を取り巻く介護環境はどのようなものか?
三浦 雄一郎さんの様な超元気な高齢者もいれば、足腰が弱くなって歩行が困難になっている高齢者もいるし、身体は元気だが認知症と呼ばれる症状が出てくる高齢者もいらっしゃいます。
「認知症」誰もが一度は聞いたことがあるかと思いますが、一般的な物忘れとは別物です。
「食べた物を忘れる」は物忘れですが、「食べたこと自体を忘れる」が認知症の代表的な特徴です。
(ちなみに映画「頭の中の消しゴム」は若年性アルツハイマー病のお話しでしたね)

65歳以上になったその人の状況によって利用できるようになるのが、介護保険サービスです。
65歳になると、住んでいる自治体から介護保険の被保険者証が交付されます。

この被保険者証を提示すると、要介護認定の申請をすることが出来るようになります。
健康保険と違って介護保険の被保険者証は、それを持っているだけでは介護サービスが受けられません。必ず要介護認定の申請を出す必要があります。


●要介護認定の申請の仕方

本人または家族等が役所の介護保険課や、近くの地域包括支援センター・在宅介護支援センターで申請をします。
その後心身の状態を調べるために、担当者が自宅にやってきて、本人や家族などから聞き取り調査をします(訪問調査)。
そして主治医の意見書を提出してもらい、介護認定審査会という専門家で構成された会で審査、判定され、30日以内にその人の状態や介護の必要度に応じて、 「要支援1・2」「要介護1~5」「非該当(介護保険サービスの対象にならない)」で結果が知らされます。
「要支援」「要介護」はその区分によって、受けられるサービス(サービスを利用できる金額の上限)が変わります。
この結果によって居宅介護支援(自宅をベースにしたサービス)を専門とする事業者にケアプランを作成してもらったり、介護保険施設(老人ホーム等)へ入所して施設で過ごすことになります。
元気な高齢者であれば将来的に介護が必要となるおそれのある人を対象とした介護予防事業に参加することが出来たり、個別の予防支援プログラムを利用出来るようになります。

このケアプランを作るにあたって大切なことは、

1.親がどういったスタイルの介護サービスを望むのか?
2.自分でしてあげられる親の介護はどこまでか?

を検討することです。
そこには必ずお金の問題がつきまといます。ご自身のライフスタイルや体力も大きく関わってきますので、専門家(ケアマネージャー)などに質問しながら本当に必要なケアプラン作成を目指しましょう。

現実にあった話ですが、母一人・娘一人の世帯で、娘さんが仕事を休職されお母様の介護を献身的に行われていたご家庭がありました。ただお母様の認知症の進 行が早く、娘さんのご負担が大きかったために、娘さん自身が介護疲れからお母様を虐待するようになったケースがありました。
この事例から学ぶべきことは娘さんの負担をどう軽くするかということで、ケアプランの見直しが必要だったと思います。限られた支給額の中で最善のプラン作成をするためにはサービス内容を正確に知って、その時々の状態に合わせた対応をとることです。

次回は具体的な介護サービスの話に触れていきます。

 

吉田 要 さん koro_yoshida_2

獨協大学経済学部経営学科卒業 ファイナンシャルプランナー(AFP)
平成25年6月より介護マネーに特化したファイナンシャルプランナー事務所 レイズコンサルティング株式会社を開設。また東京都江東区内にてデイサービスホーム(通所介護施設)も運営し、実際の介護の現場にて多くの高齢者の方々の 介護援助も行っている。