みなさんこんにちは。

年末年始は実家に帰り、ご両親と過ごされた方も多かったのではないでしょうか。

久しぶりに会う親と面と向かった時、色々なことに気づきませんでしたか?

「白髪が増えたな」

「小言が多くなったな」

などであればまだいいですが、

「急に老け込んだ」

「老後に対しマイナス的な発言が多くなった」

といったことだと、ちょっと気になりますね。

 

いつまでも変わらず元気でいてもらいたい親ですが、時間を止めることは出来ません。

やがてやってくる介護というハードルに対して備えておくことは、いざその時を迎えたときにスムーズな対処ができ、結果的にはお互いがいい状態を作ることにつながります。

ですが反面、その手の話は親とはしにくいもの・・・ 今回は私の相談業務の中でも特に多い、「介護相談のタイミングと準備の大切さについて」、2回に分けてお話したいと思います。

 

そもそもなぜ介護の準備が必要なのか?

それは介護には費用が掛かり、誰が面倒を見るのかという問題がつきまとうからです。

それらは兄弟姉妹がいれば、必ず問題になってきます。場合によっては揉め事に発展する可能性もあります。

 

実際にあった出来事をひとつご紹介します。

 

認知症のお母様の面倒を献身的に看ている、あるご家庭の長女の方がいらっしゃいました。

その方は独身で、会社では部長職として忙しくも、訪問ヘルパーを利用し在宅中心に介護をしておられました。

ところが思った以上にお母様の認知症の進行が早く、在宅中心での介護が難しくなってきました。

そんなある日、ヘルパーが来るまでの、お母様一人の時間に行方不明になってしまいました。 以前から室内で徘徊の傾向が出ていたのですが、鍵を開けお一人で外出され歩いて行ってしまったのです。

行方不明になってから12時間後、幸いにも自宅から10キロ程離れた場所で警察官に発見され無事でしたが、交通事故にあう可能性や脱水症状で倒れる可能性も大きかったはず。

その事件以降、ヘルパーに診ていて貰う時間を長くして対応していましたが、お母様の体調変化等の呼び出しで会社を早退されることが多くなり、結果的にキャリアを捨て業務の軽い部署へ転籍希望されました。

 

介護離職の問題もまた後日取り上げたいのですが、ここでの問題はご長女には他に頼れる人はいなかったのか?

お母様もこの介護環境を望まれていたのか? 等が挙げられるかと思います。

兄弟姉妹がいれば介護負担を分担することも出来ますが、積極的に引き受けたい人ばかりではありません。

相続財産の問題も兄弟姉妹がいれば避けては通れない課題です。

ぜひご両親がお元気なうちから、介護の準備を「自然に」話し合う環境作りをお勧めします。

 

介護相談は、親に変化の兆しが見られたらできるだけ早くする方がいいわけですが、どのようにその兆しをチェックするかは難しいところ。

そこでご紹介したいのは、基本的なADL(日常生活動作)をみるチェックリストです。

このADLは介護現場で通常使われる用語で、食事・更衣・移動・排泄・整容・入浴など生活を営む上で不可欠な基本的行動を指します。ぜひ覚えておいてください。

 

1 食が細くなり体重が減っている

2 薬の種類が増えている

3 歩行スピード、動作が遅くなりつまづきが見られる

4 外出しなくなった

5 入浴を面倒くさがるようになった

6 衣服の交換がなく選択がマメでなくなった

7 部屋の掃除、トイレの汚れなどがそのままになっている

8 布団が万年床、シーツが交換されていない

9 光熱費の請求が以前より高くなっている

(電気の点けっぱなし、消し忘れがや水道の閉め忘れが頻繁になると光熱費は高くなります。光熱費は数値となって現れるので、その変化を管理しやすいです)

10 不要不急の買い物が多くなっている

(買い溜め傾向、備蓄癖が過剰になってくるのもそうですが、同じものがまだあることを忘れて買い足してしまう場合なども判断材料となります。賞味期限の確認など細かいところまで目が行き届いておらず、賞味期限の切れた缶詰が沢山あるなどの場合も要注意です)

 

以前は話し好きで、趣味のサークルに積極的に参加されていた親がめっきり外出しなくなった。

きれい好きだった筈なのに、部屋の掃除を面倒くさいという理由でしていない等のサインを見逃してはいけません。

冬の時期入浴介助の現場で、利用者さんの洋服を脱がせているとズボンの下に何枚もパジャマを穿いている方が多くいます。

年を取られると寒がりになるのも特徴ですが、替えるのを忘れて上から穿いてしまうのです。

冗談の様な話ですが、しっかり親を観察し、将来「その時」が来ても「何をしたらいいのか分からない」という事態は避けられる様準備しておきましょう。

 

残念ながらチェックリストにチェックが付いてしまった場合の相談先や、相談の切り出し方は次回詳しくお話させて頂きます。

 

吉田 要 さん koro_yoshida_2

獨協大学経済学部経営学科卒業 ファイナンシャルプランナー(AFP)
平成25年6月より介護マネーに特化したファイナンシャルプランナー事務所 レイズコンサルティング株式会社を開設。また東京都江東区内にてデイサービスホーム(通所介護施設)も運営し、実際の介護の現場にて多くの高齢者の方々の 介護援助も行っている。