父親の介護をする過程で、痛切に思ったことがある。

 

『誰でもいいから、介護に関する情報と今必要なこと、そして私のことをマネジメントして欲しい!!』

 

フォーマル・インフォーマル合わせて情報もある、ケアマネさんもいる、必要なこともわかる。

何をどうしていいのかはわかっている。

 

役所の申請主義についても重々承知している。

時間もそれなりにやりくりしている、つもりだった。

 

それでも、要介護者の状況の変化で、次々と様々な判断をしなければならないことが頻繁に、仕事をしている身に降りかかってきた。

 

正直、想像を超えて面倒くさい!!

自分の親のこととなると様々な感情もわいてくるし、頭で考えているように割り切れないことも多くあるからだ。

 

介護保険制度は要介護者のための制度。
その制度を利用するにあたり、その人の介護度によりマネジメントをしてくれるケアマネージャーはいる。

病気を抱えての在宅介護の場合、医療的措置も必要。そのために主治医はいる。

リハビリや外出のためのデイサービス等の利用もある。

どうしても必要な時には、自費や介護保険内で在宅サービスを利用することもある。

状況の変化や家族の状況も考え、在宅での介護を続けるのか、施設の利用を検討するのかの申請の時期やタイミングもある。

 

そしてこれを行っているのはすべて‘人’。

一人の要介護者をサポートするのに、たくさんの方々がそれぞれの立場で関わってくる。

 

koro_sakuma_20150510_1家族もサポート側の人間となる。

特に高齢者の介護となると、高齢者自身の判断よりも、家族に判断をゆだねられることも多くある。

かといって当事者が意見を言わないわけではないのだ。

わからなくてもそれなりに意見や矜持があり、わかったような・わからないような、大方が的を外れているけれど、自分のこととなるとやはり口を出してくる。

 

正直、これが一番大変。

説明しても伝わらないことも多いのに、頑として受け入れないことがほとんどだからだ。

最終的には家族が何とか説明し、説得することになる。

本人も新しいことやわからないことは不安なのだと思うけれど、これに振り回されていると決まるものも決まらない。

 

こんな風に次々と押し寄せる出来事に対して、私や家族の立場に立って、時々の介護者の状況をとらえ、適切な対処を判断し、または先回りして手を打てばいいかなどを、トータルで面倒見てくれる人はいないのが現状。

それならば、介護する側が潰れないように、いろいろな情報やいざという時に頼れる、話を聞いてくれる人とのつながりを持っておく方がいい。

 

介護保険制度では何ができて何ができないか、

自分はどこまでしてどこまでしないのか、

仕事や生活との両立、

まわりに愚痴れる人・相談できる人がいるのか、

兄弟姉妹や親戚等どこまで役割分担をするのか、

会社の介護に関する制度はどうなっているのか等、

早めに考え、知っておくことがとても重要である。

 

介護する側にだって人生がある。感情だってある。

その都度抱え込まないで、失敗してもまた両者にとって少しでもゆとりが持てるようにしておいた方がいい。

 

 

●親の介護とキャリア 気になる話題

「押さえておきたい地域の情報」

 

地域における介護や福祉の相談窓口となる主なものが「地域包括支援センター」と「社会福祉協議会」です。

これらは市区町村役所のほかに、介護に関する情報を得られる場所です。

 

○地域包括支援センター
地域における介護相談の最初の窓口となるのが、地域包括支援センターです。
高齢者が住み慣れた自宅や地域で生活できるように、必要な介護・保健福祉・日常生活支援等の相談に応じてくれます。
おおむね中学校区と同じような区域で区分している場合が多いようです。

この区域は「日常生活圏域」と呼ばれ、地域ごとにサポートしています。

 

地域包括支援センターには社会福祉士・保健師・主任ケアマネージャーがおり、相談内容に応じて対応をしてくれます。
・社会福祉士:総合相談
・保健師:介護予防、虚弱高齢者支援など
・主任ケアマネージャー:介護全般の支援、虐待、困難事例、事業者からの相談

 

○社会福祉協議会

地域福祉の考え方をその基本とし、福祉サービスの在り方として、ニーズを持つ人ができるだけ、地域社会との関係を絶たずに生活できること、それを行政制度だけでなく、隣人・友人が支えあうことが大切であるという考え方に立って事業が進めているのが社会福祉協議会です。

 

ただし組織がやや複雑、かつ事業の種類が幅広く、市区町村によって提供サービスや拠点の置き方も違っています。

・成年後見センター
・地域の仲間づくり
・福祉機器(車椅子等)の貸し出し
・家事のサポート
・ボランティアセンターの運営 等

様々な事業をおこなっていますが、要介護者が居住している地域の社会福祉協議会がどのような福祉サービスを行っているか、確認しておくことをお勧めします。

 

要介護者・介護者双方ができるだけ快適かつ負荷が少ない介護生活を送るために、介護の状態によって行政等の公的機関の行うフォーマルサポートと、民間やボランティアなどの行うインフォーマルサポートを組み合わせて利用していくことが大切です。

 

このコラムの次の回を読む》

《このコラムの前の回を読む

 

佐久間 理央 さん 20141020_sakuma

POLE・STAR株式会社 ディレクター

 

大正大学大学院人間研究科修士課程修了(社会福祉学)。
私立国際武道大学、社会福祉法人武蔵野療園、社会福祉法人渋谷区社会福祉協議会等を経て現在POLE・STAR株式会社を設立。

主に福祉や生活に関する相談、コンサルティングを行っている。

 

株式会社 POLE・STAR ホームページ