我が家の場合、父が倒れ介護が必要になった。

 

母が仕事を辞め、主たる介護者として介護を担うこととなり、私が従たる介護者として仕事をしながらサポートしてきた。

介護方針としては家族で話し合いで決めていくが、最終的にはできるだけ母の考えを尊重しながら進めていった。

しかし、これはこれで大変なのである。

親子といえど、年代も立場も異なれば、意見も違ってくるのである。

 

10年に渡る介護の間にはいろいろなことがあり、母とぶつかることもあった。

また母も在宅での介護の疲れやストレスも原因となり、脊椎間狭窄症を発症し手術。

その影響で歩くたびに足の付け根に痛みがひどく、現在では大腿骨の両方に人工股関節が入っている。
季節の変わり目は、介護の疲れ等から体調を崩して何度か入退院を繰り返したこともある。

そうなってくると私は、父と母の介護をしなければならないこともあった。

 

何年か前の夏の日のこと。

母が起き上がれないほどのめまいに襲われ、主治医が往診に来て大きな病院に救急搬送する手配をしていた時、なんと一人住まいの叔母から母に、「数時間前からお腹が痛いのだけど救急車呼んだ方がいいか」と連絡が入った。

 

電車で1時間半ほどのところに住む叔母の元へ、このような状況では駆け付けることもできず、救急車を自分で呼んでもらう様に話した。

盲腸で経過もよく1週間ほどで退院をしたのだが、同時期に3人の介護やサポートをしなければならなくなった。

身体は一つで三カ所・三人の介護のため、週末と夏期休業を使い、あちらこちらに飛び歩くこととなった。

 

koro_sakuma_20150610_1また、90歳を超えた母方の祖母も年の割には元気だとはいえ、何らかの介護や生活のサポートが必要な状況でもあった。

母を含め5人兄弟姉妹なのだが、叔父と叔母が一緒に暮らし、何かあると兄弟姉妹間で話し合いや手が必要な時には母や私も手伝いに行っていた。

 

一緒に暮らしたことのある兄弟姉妹は、在宅での介護がどれほど大変か解っているので、ヘルパー等のサービスを入れることに異論ははさまないのだが、離れて暮らし通いながらサポートしている兄弟姉妹たちには、365日24時間どんな状況であっても気にかけていなければならない状況を理解できず、いちいち大騒ぎとなる。

 

やることなすことが的を得ていないとんちんかんな方向なのに、自分たちがどんなにいいことを言っているかと思い込んでいる。

そして口を開けば、「お母さんがかわいそう」となる。

 

またいちいち、自分たちの思い込みや愚痴を電話やメール等の文明の力を駆使し発信していた。

 

どんな状況であれきちんと介護をされている方が大半なのは承知しているが、やはり一緒に暮らすという事は想像以上に大変なこと。

それをしていない人に限って、一時の感情で発言したり混乱を引き起こす。

 

うっかり電話なんて取ってしまったら大変。

「あなた専門家なんでしょう!○○にちゃんとするように言って!」となる。

とりあえず言い分を聞き、口は挟まない。

そんなことをしたら、ただでさえ長い電話が終わらなくなってしまう。

 

父に介護が必要な年齢なのだから、その他の家族や親戚もそれなりの年齢になっている。

そうなると介護に関わる率も高くなるという事である。

 

介護というと身体的なものを思い浮かべるが、それだけでは括ることができない。

メンタル的なこと、金銭面、そして家族の複雑な人間関係等様々な側面がある。

 

どのように介護が必要になるかは誰にもわからない。

一緒に暮らしている家族の一人に介護が必要になった時、遠く離れている家族や親戚に介護が必要となった時、様々な形で介護に関わることになる可能性は大いにありうる。

その時々考え、動いていくしかないのだ。

不測の事態に備えとりあえず心の準備だけはしておくに越したことがない。

 

●親の介護とキャリア 気になる話題

「医療と介護 ~はじまりは病気から~」

 

高齢になると毎月のように病院で何らかの措置を受けていること、病気の症状の悪化や病気が引き金となり、介護が必要になる場合も多くあります。

 

急に入院となり、退院後について不安も多々あると思いますし、また環境の変化等によって介護が必要になることもあります。

急な入院で動転しているところに、退院後の生活をどうするのか等退院前にしなければならないことも出てきます。

そんな時知っておきたいのが医療ソーシャルワーカーについてです。

 

医療ソーシャルワーカーとは

保健医療機関において、社会福祉の立場から患者さんやその家族の方々の抱える経済的・心理的・社会的問題の解決、調整を援助し、社会復帰の促進を図る業務を行います。

(医療社会福祉協会HPより)

 

具体的には、
1. 療養中の心理的・社会的問題の解決、調整援助
2. 退院援助
3. 社会復帰援助
4. 受診・受療援助
5. 経済的問題の解決、調整援助
6. 地域活動
を行っています。
(厚労省『医療ソーシャルワーカー業務指針』より)

 

入院により介護が急に必要になった時、大きめの病院であれば医療ソーシャルワーカーがいる場合も多くあります。

病気に関しては不安だらけ。そして高齢者の場合は病気のことだけではなく様々な不安要素があります。

とりあえずどうしていいのかわからない、病気・介護・退院後の生活等プロに相談に行くことも選択肢の一つとなります。

 

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佐久間 理央 さん 20141020_sakuma
POLE・STAR株式会社 ディレクター
大正大学大学院人間研究科修士課程修了(社会福祉学)。
私立国際武道大学、社会福祉法人武蔵野療園、社会福祉法人渋谷区社会福祉協議会等を経て現在POLE・STAR株式会社を設立。
主に福祉や生活に関する相談、コンサルティングを行っている。

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