介護について親・兄弟姉妹・親戚等と話し合いをしたことはあるだろうか?

介護が必要になったらどうするか、という事だけではなく、どうやって最期の時までを過ごすのかという事も含めて。

 

元気なうちに本人が決めておいてくれればいいのだろうが、そうはいかないこと、本人の意向だけではどうにもならないことも多い。
そこに、状況が違う家族や親族が関わってくれば、それぞれの思いが交錯していく。

話す機会を持つことは、本人の希望を踏まえて、みんながお互いの意見を知ることができ、共通の認識が生まれる可能性もある。

 

ただしそれによって、知りたくなかった家族の一面を知ることもある。

しかし、それも含めて考えておくことが、介護における処々の問題を整理し軽減することにもなる。

 

例えば、親は最期まで自宅で過ごしたいと話をしていても、介護する人が一人、もしくは両親だけでは、その思いを貫くことは困難になることもある。

近くに住んでいる兄弟姉妹の誰かが介護の中心者になれば、必然とそこに負担が多くなる。

時々来る兄弟姉妹が親にいいことしか言わなかったり、介護に対して口出しをすれば、介護の中心に携わっている人はいたたまれない思いや怒りを感じるだろう。

 

koro_sakuma_20150810_1話し合える環境をつくっておくことで、負担が分散できたり、介護をした・しない、親のお金を使った・使わない等々、後から出てくる問題が少しでも緩和することにつながることもある。

 

親が亡くなり、介護や相続でもめてその後は縁が切れたような状態になった、という話は珍しい話ではない。

 

介護だけでも大変なのに、家族との関係が悪化すれば、問題はさらに増えるだけである。

 

‘死’‘介護’等を話題にすることは、なかなか勇気もいるし、難しいかもしれない。

けれど、時間は有限である。

何時か、また今度と思っていると、気が付けばそのタイミングを逃してしまった。という事も聞く。

 

我が家の場合、父が定年退職を迎えた頃からそんな話をしていた。

しかし具体的には何かを決めていたわけではなく、70歳を目安に今後について話し合おうと思っていた。

 

ところがその矢先、父が旅先で倒れたのだ。

急に始まった看病からの介護。

その時は10年に及ぶとは誰も想像できなかった。

もう少し、具体的に話し合っておけばよかった、あの時こうしておけばよかったと思うことも山のように出てくる。

振り返ってみるから言えることでもあるのだけれど。

 

仕事をしながらの介護、できるだけ大変になる前に家族でできる限りのことを話し合い、考えておいた方がいいと、終わった今痛切に感じている。

 

●親の介護とキャリア 気になる話題

「在宅での暮らしを支えるサービス」

 

病気や高齢等在宅で暮らしていく上で、少しの不便を感じられるようになったとき、利用できるサービスがあります。

介護保険の相談と合わせて早めに相談してみましょう。

基本的には要介護1以上の認定を受けた方が対象となりますが、一定の条件に該当する場合、対象外の方であっても利用できる場合もあります。

要介護者がお住まいの市区町村の高齢者向けサービス窓口等で確認してみてください。

区市町村等の独自サービス等がある場合もあります。

 

●住宅改修
在宅の要介護者が住み慣れた自宅で生活が続けられるように、手すりの取り付け、段差の解消等の住宅改修費用の一部が支給されます。
介護をする家族の意見も踏まえて改修計画を立て、施工してもらうようにしましょう。

 

[住宅改修の対象種目]
(1)手すりの取付け
(2)段差の解消
(3)滑りの防止及び移動の円滑化等のための床または通路面の材料の変更
(4)引き戸等への扉の取替え
(5)洋式便器等への便器の取替え
(6)その他上記の住宅改修に付帯する工事  等

※改修費用の限度額は現住宅につき20万円です。
※介護保険で住宅改修費の支給は、利用者がいったん費用の全額を支払い、その後に申請をして保険給付分の支払を受けるという、いわゆる「償還払い」を原則としています。

 

●福祉用具貸与
日常生活や介護に役立つ福祉用具をレンタルしてくれるサービスです。

利用者の日常生活における自立支援や介護者の負担軽減にもつながります。

また在宅での介護においても活用できます。

(1)車いす
(2)車いす付属品
(3)特殊寝台(電動ベッド)
(4)特殊寝台付属品
(5)床ずれ防止用具
(6)体位変換器(空気パッド等を使って、仰向けからうつ伏せへの体位の変換を容易にします)
(7)手すり
(8)スロープ
(9)歩行器
(10)歩行補助つえ
(11)認知症老人徘徊感知機器
(12)移動用リフト
(13)自動排泄処理装置

※(1)~(6)、(11)、(12)は一定の例外となる場合を除き、要介護1の方は利用できません。
※(13)は一定の例外となる場合を除き、貸与の対象は要介護4・5の方に限ります。

 

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佐久間 理央 さん 20141020_sakuma
POLE・STAR株式会社 ディレクター
大正大学大学院人間研究科修士課程修了(社会福祉学)。
私立国際武道大学、社会福祉法人武蔵野療園、社会福祉法人渋谷区社会福祉協議会等を経て現在POLE・STAR株式会社を設立。
主に福祉や生活に関する相談、コンサルティングを行っている。

株式会社 POLE・STAR ホームページ