自分の人生と介護、どちらも両立できる簡単な方法はないのだと思う。
もし、それができるとすれば、とにかく割り切ることだと思うが、人間には感情もあり、そんなに簡単には割り切ることはできない。

 

完全に割り切ることは難しくても、いざという時のスタンスや、自分の生き方について、ある程度考えておくことは大切である。


親が歳を取ったとき、どのように介護をするか、兄弟姉妹や親戚はどの程度関われるか、自分はどのように働いていくのか、郷里があるのであれば帰るのか・帰らないのか、そのタイミングは何時なのか、仕事で昇進のチャンスがあったらどうするのか、転勤は受けるのか・受けないのか等、自分のキャリアと生活と仕事のバランスをどのようにしていくのかを方向だけでも考えておいた方がいい。
介護が必要になったときは目の前にことに時間がとられ、自分自身のことも含めて考える余裕がない場合の方が多いからだ。

 

私自身は、親に介護が必要になっても一切関わるつもりはなかった。

けれど実際に父親が要介護となれば、そうも言っていられなかった。

 

koro_sakuma_20151010_1幸い母が介護をしていける状況であったので一人での介護ではなかったが、それでも介護しなければならない家族がいるとなれば、今までとは時間の使い方を含め色々なことが変わった。

介護に関わる方々と方針を決めるための話し合いをしたり、手続きのために役所に行ったり、どのような終末を迎えるのかまで考えながら生活が廻り始める。


その時までは起きるかもしれない問題として漠然ととらえていた問題であったが、いざ介護が必要となると、突然、昨日までと同じ日常ではなく、否応なく父の介護が中心の生活となってしまったのだ。


時には母と意見の違いでぶつかることもあった。

母も、自分と同じ温度で介護に向き合ってほしかったのかもしれないが、私は適度な距離を置き、自分の生活との兼ね合いを考えながら介護をしていきたいし、娘と妻という立場の違いもある。

父の介護が終わってからも続く人生を考え、最低限できることをしていくしかしないし決めていた。

母もそれはわかっていたようだが、生まれた年代、生きてきた環境等、考え方等どうにも埋まらない差もあったと思う。10年に及ぶ介護の間には母が体調を崩し、介護をできない時もあり、介護が必要な父と病気療養しなければならない母を見なければならないこともあった。
 
人生は計画を立てても、どうにもできないことの方が多いと思う。

それでも介護に関して、住んでいる地域にどんなサービス支援があり、経済的にはどのようになるのか等の情報を得て置き、自分はどのように考え、どのようなスタンスで行くのか、心づもりがあった方がいい。

介護が始まったとき、自分自身の人生設計と介護を照らし合わせ、介護だけでの生活にならないようにする指針になる。

できれば、ライフプランを紙に書いて、そこに親の年齢や経済状況、病気等のことを書きこんでみることも客観的情報になると思う。


介護の一番の大変さは終わりが見えない時間が続き、先がわからないことだと思う。
いつ介護が来るかわからないことに今、時間を使うことは考えられないと思うかもしれないけれど、自分の人生と、介護について、少しアンテナを張っておくとその時に困ることが少なくなると思う。

 

 

●親の介護とキャリア 気になる話題

「介護と医療費控除」

 

介護にかかった費用の一部が、条件付きで医療費控除となる場合があります。
ケアマネージャー・区市町村の担当窓口・使っているサービスの担当者等に領収書を受け取る際、控除の対象になっているか確認してみてください。

 

○医療費控除の対象条件
居宅サービス計画に基づいた居宅サービスであり、かつ下記のうちのサービスどれかが含まれていること

 

○自己負担額が対象になるサービス
・訪問看護、介護予防訪問看護
・訪問リハビリテーション、介護予防訪問リハビリテーション
・居宅療養管理指導、介護予防居宅療養管理指導
・通所リハビリテーション、介護予防通所リハビリテーション(食費も対象です。)
・短期入所療養介護、介護予防短期入所療養介護(食費、滞在費も対象です。)
・定期巡回・随時対応型訪問介護看護(一体型事業所で訪問看護を利用する場合)
・複合型サービス(医療系サービスを含む組み合わせにより提供されるもの(生活援助中心型の訪問介護の部分を除く))

 

○条件付きで対象になるサービス
・訪問介護、介護予防訪問介護(生活援助が中心である場合を除く)
・訪問入浴介護、介護予防訪問入浴介護
・通所介護、介護予防通所介護(食費は対象外です。)
・短期入所生活介護、介護予防短期入所生活介護(食費、滞在費は対象外です。)
・夜間対応型訪問介護
・認知症対応型通所介護、介護予防認知症対応型通所介護(食費は対象外です。)
・小規模多機能型居宅介護、介護予防小規模多機能型居宅介護(食費は対象外です。)
・定期巡回・随時対応型訪問介護看護(一体型事業所で訪問看護を利用しない場合及び連携型事業所の場合)
・複合型サービス(医療系サービスを含まない組み合わせにより提供されるもの(生活援助中心型の訪問介護の部分を除く))

 

○おむつ代
医師から「おむつ使用証明書」を発行されている、6カ月以上寝たきりの人の紙おむつ代(自己負担額分)


○交通費
通所リハビリテーションや短期入所療養介護のために、介護老人保健施設や指定介護療養型医療施設に通う際に必要な交通費

 

 

★doppo読者の皆様
1年間お付き合いありがとうございました。
【コロツエ】にコラムを書かせていただき1年になりました。
今回が最終回。読んでくださった皆様に感謝ばかりです。

 

 

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佐久間 理央 さん 20141020_sakuma
POLE・STAR株式会社 ディレクター
大正大学大学院人間研究科修士課程修了(社会福祉学)。
私立国際武道大学、社会福祉法人武蔵野療園、社会福祉法人渋谷区社会福祉協議会等を経て現在POLE・STAR株式会社を設立。
主に福祉や生活に関する相談、コンサルティングを行っている。

株式会社 POLE・STAR ホームページ