みなさん、こんにちは。
POLE・STAR株式会社の佐久間 理央です。

今回は、介護離職によるリスクについて書かせていただきます。

 

親の高齢にともない、老い、病気、けが等様々な理由で介護をしなければならない状況から、離職を余儀なくされた、という話は今や珍しいことではありません。


でも、人生まだ折り返し地点あたりにいる私たちにとって、それは予想以上に大変なことなのです。

 

仕事を辞めると、介護者の面倒をみることが生活の中心になります。

会社勤めをしていた毎日に変わり、親の介護という日常生活に追われながら自宅で過ごす時間が増えるのです。

家事が苦手だったとしても、食事、洗濯、掃除等の生活を維持することも、すべてしなければなないのです。

 

出かける場所も、自宅周辺へとだんだん狭まっていきます。


人間関係も少なくなっていきます。

社会から離れ孤立してしまう問題もあります。

人間関係のストレスはなくなるかもしれませんが、社会や人とのかかわりがだんだんと希薄になっていきます。

社会から精神的にも物理的にも隔離され、職場で様々な人に関わり、仕事を通して磨かれてきたスキルを発揮できる機会も少なくなります。

 

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また収入が減れば、友人との付き合いや、自分の洋服や趣味のことに使えるお金も、制限せざるを得なくなります。
今までの貯蓄があるからしばらくは大丈夫だと思うかもしれませんが、医療、介護に関わる費用だけではなく、食費、光熱費、住宅等のローン、保険料、交際費、税金交通費等々、と生活の様々な支払いにお金が必要です。

今までは会社を通して収めてきた健康保険も、厚生年金も、税金もかすべて自分でまかなわなければなりません。

親が生きているうちは親の年金があるかもしれませんが、介護が終わり、親が終末を迎えるとこの収入もなくなるのです。


目の前のことだけで、自分の老後まで考えが及ばないかもしれませんが、今まで会社が折半して負担していてくれた社会保障についても、自分ですべて支払わなければならないのです。

それが納付できなければ将来的に、自分自身の年金などの社会保障の額に影響が出てきます。

 

高齢になれば様々な病気のリスクも上がります。

どのような病気になるか、高齢者特有の症状が出るかは誰にも分らないのです。

車いすがなければ移動ができなくなるかもしれないし、一人でトイレや入浴ができない状況になるかもしれません。

認知症の症状が出るかもしれません。

不安から徘徊をするかもしれません。

 

高齢者の介護とは、このようなことが毎日になるのです。

そして残念ながら改善されることは望めず、日々少しずつ、できないことが増えていくのです。


毎日のことで、心身ともに余裕がなくなり、虐待につながるケースもあります。

虐待は身体だけではなく、精神的、金銭的なものなどもあるのです。

介護者している側が周りが見えなくなり、客観的に状況を把握できなくなったりします。

あまりに余裕がなく介護している親に当たり散らしたり、親の財産すべてを抱え込んで、壮絶な兄弟姉妹と絶縁してしまうこともよく聞く話です。


親が元気であれば

「私は絶対に親を大事にする!」

「私は大丈夫!」

と思っているかもしれません。

でも、自分に余裕がなく、介護だけをする生活になったとき、愛情が同情や憎しみに変わることもあるのです。


介護が始まると想いだけではどうにもできない、思いもよらないことが次々と出て出てきます。

私は絶対に大丈夫と思わないでください。

誰にでも起こる可能性があることなのですから。

 

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佐久間 理央 さん 20141020_sakuma
POLE・STAR株式会社 ディレクター
大正大学大学院人間研究科修士課程修了(社会福祉学)。
私立国際武道大学、社会福祉法人武蔵野療園、社会福祉法人渋谷区社会福祉協議会等を経て現在POLE・STAR株式会社を設立。
主に福祉や生活に関する相談、コンサルティングを行っている。

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