みなさん、こんにちは。
POLE・STAR株式会社の佐久間 理央です。

要介護者をケアし、介護する側の負担をできるだけ軽くしていくためには、介護に関わる制度を知っていくことが重要です。

今回・次回の2回にわたり、押さえておきたいポイントをお話ししたいと思います。

まずは、介護休暇と介護給付の制度についてです。

 

●介護休業が分割して取得できるように

 

要介護状態にある対象家族の介護、その他の世話(買い物、通院の付き添い等)を行うために、1年に5日まで取得できるものを「介護休暇」、ある程度まとまった期間の休業を「介護休業」と言いますが、この「介護休業」が平成29年1月1日の改正により、使いやすくなります。

 

今まで介護を必要とする家族(対象家族)1人につき、通算93日まで原則1回に限り取得可能だった介護休業が、3回を上限として分割して取得可能となります。

 

親の介護は長期間に及ぶことも少なくありません。
どのタイミングで介護休暇を取得するべきなのか、迷うところでもあります。
介護が終わり、振り返ってみることで考えられる取得の時期としては・・・

 

【初期】

特に病気や怪我などの場合はわかりやすいのですが、一時的もしくは継続的に身体機能の低下が見られたりして、今まで通りの生活に戻れるかどうか?となったり、最近ちょっと同じことを繰り返したり、外に出かけたがらない、家が片付いていない等認知症かも?等と思ったら介護が必要なサインかもしれません。

最初のころはちょっとした生活のサポートから介護生活になる場合も多くあります。

特に突然、介護について考えなければならないようであれば、思い切って数週間、介護休暇を取ってしまってもいいかもしれません。
介護保険の申請や主治医への診察、サービスの利用のための打ち合わせ等かなり時間を取られます。

 

【状態が変わったとき】

在宅での介護が難しくなったり、今までのサービスでは在宅での介護が難しくなった、認知症がひどく徘徊したりする、等の時です。
施設を探したり、状態が落ち着くまでどうしても時間を取られるものです。

またサービスを変更しようと思うと、また手続き等に時間がとられてしまうことも多くあります。

 

【老衰等死が近づいてきた時】
最期の時がどんな状態化は誰にも予測できないものですが、医者などから最期の時が近いと言われたときも休暇の修得の時期かもしれません。
介護が終わる時でもあります。

人生の最期を一瞬でも冷静に一緒に過ごすことは、特に介護に携わっていた人にとっては大事な時間となると思います。

介護ロスや、亡くなった後の虚脱状態から回避できる可能性もあります。

 

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●1日単位での取得から、半日単位(所定労働時間の1/2)での取得が可能に

 

半日単位での取得が可能になると、しばらくサービスを利用する間様子を見たい、デイサービスへの送り出しをしてから仕事に行きたい、遠距離介護の場合に月曜日の朝に出て仕事に行ける等、仕事と介護の両立の可能性が広がると思います。

 

 

●介護のための所定労働時間の短縮措置等

 

今まで介護のための所定労働時間の短縮措置(選択的措置義務)について、介護休業と通算して93日範囲内で取得可能だったものが、介護休業とは別に、利用開始から3年の間で2回以上の利用が可能となります。
今までは介護休暇と合わせて93日までだったのが、介護休暇と別の措置となります。

 

●対象家族1人につき、介護の必要がなくなるまで残業の免除が受けられる制度が新設

 

介護が終わるまで、利用できる所定外労働を制限できます。

 

 

●介護休業給付金が引き上げに

 

介護休業給付金とは、65歳未満の一般被保険者が、家族を介護するために休業を取得したときに一定の要件を満たすと支給される給付金のことで、簡単に言えば休業によって減ってしまう収入を補てんしてくれる制度です。
これが現行では40%だったものが、67%に上がりました。

 

ご紹介したような国の制度と合わせて、会社の状況や実施状況等もよく確認しておくようにしましょう。
制度があっても、実際に利用できるかどうかはまた別の問題です。
会社の取り組みが積極的なのか、こういった制度を利用できる雰囲気があるのかはその会社次第になってしまうからです。

 

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佐久間 理央 さん 20141020_sakuma
POLE・STAR株式会社 ディレクター
大正大学大学院人間研究科修士課程修了(社会福祉学)。
私立国際武道大学、社会福祉法人武蔵野療園、社会福祉法人渋谷区社会福祉協議会等を経て現在POLE・STAR株式会社を設立。
主に福祉や生活に関する相談、コンサルティングを行っている。

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