みなさん、こんにちは。
POLE・STAR株式会社の佐久間 理央です。

 

介護をする上で重要な制度である介護保険。
今さら人には聞けないけれど、実はよくわかっていないかも?なんて声を意外と多く聞くので、今回は介護保険を使うにあたり、“知っていそうで知らない?介護保険”について書かせていただこうと思います。

 

 【介護保険制度】と聞いてすぐにどのように使えばいいのか、思いつきますか?
介護に携わっていないと、どのような制度で、どのように使えばいいのか知らない人も多いようです。

 

 

40才になる月から介護保険料が給与から天引きされる


数年前、介護保険に関わっている職場でのこと。
職場の先輩が、

「今月、先月より引かれる額が多い!なんで!」
と給与明細を見て叫んだことがあります。


すかさず、「満40才になった?」と質問が。
その先輩は

「あ!そうだ。私今月40才だ!介護保険が引かれるんだ~」
と、複雑そうにしていました。

 

突然、引かれる金額が多く驚いた経験はありませんか?
介護保険は満40才を迎えた日を含む月から給与から徴収されます。

 

 

介護保険は申告制


健康保険等と違い、65才になったから市区町村役所から、介護保険を利用するお知らせがきたり、認定調査に来てくれるわけではありません。

健康保険等と違い、申告しないと使えない制度なのです。

 

介護保険利用の必要を感じたときに、本人・家族・地域の人等から地域包括支援センターへ「介護保険を使いたい」と連絡をしていかなければ何も始まりません。

 

それを知らない方が多く、病気等で入院し、退院のめどがついてくると慌てて、
「退院後はどうするのか?」
「介護保険証ってどうやって使うの?」

「どうするの?何もわからないけど、困った!」

という質問が多くあります。


中には介護保険を知らず、親の介護のために自分が仕事を辞めて介護をしていて、数年経ってから介護保険を申請した、というケースもあります。

 

介護保険は、病気や怪我での入院をすると、状況が落ち着くまでは認定調査ができません。

介護度が決まるまで介護保険サービスの利用はできないので、退院してすぐの利用が難しいケースも多くあります。

 

 

介護保険申請のタイミング


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病気や怪我等の入院をして、退院後の生活のサポートが心配・・・と介護保険の申請をする方が多いのですが、利用までに1カ月以上かかる場合もあります。
元気だから・介護保険は使わないから・面倒くさいから等理由は様々ですが、使いたくない、使うタイミングがわからない、という話もよく聞きます。

 

元気な高齢者に無理に介護保険の利用をするために申請をするとことはおすすめしませんが、ちょっとでも不安や心配なことがあれば、それはタイミングだと考え、思い切って住んでいる地域の包括支援センターに相談してみることをお勧めします。


タイミングの一例としては
〇どこか痛い、調子が悪い等とこぼすようになった
〇人との関りを面倒くさがったり、外出を嫌がるようになった
〇トイレが近い、失禁等の失敗や心配がある
〇部屋がなんとなく汚い
〇料理など味が落ちてきたと感じる
〇入院や手術が必要だと言われた時
〇料理や洗濯等、身の回りのことが不自由になってきたとき
等など、健康不安・生活や性格の変化は要注意です。


本人が傷つく言い方をしてしまうと様々なことを隠したり、介護保険申請のため行かなければならない病院に行かないと言い張ったり等、起きやすいトラブルです。

そんなことも含めてまず、相談してみましょう!

 

 

認定審査を受けておくことの利点


介護保険の認定調査とは、自宅等で健康状態等やその方の生活の様子を確認し、どれくらい介護が必要な心身状態を確認することです。

 

介護保険は試験ではありません。

《自立》でも、《要介護度5》でもあくまでも介護状態に関してのことです。

軽いから評価が悪く、重いから評価がいい、ということではないのです。

高齢者の方々は、重く出た方が評価されていると感じる傾向にあるようです。


もし、判定が《自立》となっても、地域包括支援センターには申請したという記録が残ります。

《自立》の状態が少しでも長く続けられるようなプログラムを各自治体で用意されていたり、地域の活動の紹介などもあります。
判定が出なくても、いずれは介護が必要な方であるという情報が地域包括支援センターに残るのです。

状態が変化したら、すぐに地域包括支援センターに相談してください。
特に遠方で一人暮らしの高齢者の場合、連絡が付かない等様子がおかしいと感じるときに相談にも乗ってくれます。

 

もちろん、介護認定を受けていなくても対応してくれると思いますが、一度介護認定の申請をしておけば、地域包括支援センターで自宅の様子や状況も把握してありますので、頼む方も安心できると思います。少なくても詳細を焦った状況で説明をしなくてもいい安心感はあります。
役所は面倒!と思う方も多いかもしれませんが、帰省の時や平日に休めるついでの時などに認定審査を余裕をもって日程調整してもらえれば、立ち会うこともできます。
急に入院が必要になり、慌てて何日かの有休を取得し、対応した後、また認定調査のために新たな有給休暇の取得となることで、仕事に支障が出たり、同僚や上司に迷惑をかけるというリスクも避けられます。

また地域包括支援センターの連絡先を知っていれば、すぐに連絡ができます。

 

自立の判定が出ていたご高齢の母親と同居している娘さんが、1週間ほどの出張で海外に行っている間、毎日朝晩に安否確認の連絡を入れていたのが、2日ほど家の電話も携帯も連絡が通じない状況になったことがありました。

2日後には日本に帰れますが、それまで連絡が付かない状況でいるのは不安なため、警察や消防への連絡を考えたそうです。

ですが事件になって入れば連絡があるかもしれないと考え、大事になるのは避けたいと、地域包括支援センターへ連絡をしたそうです。

以前調査をしていたので、データでお母さまの状況を確認し、すぐに様子を見に行ってくれたとのこと。

原因はヒューズが飛んでしまったことで電話が通じず、携帯電話も充電が切れていることに気が付かなかったとのこと。

本人は元気だったそうです。

海外の出張中で、気ばかり焦る中で対応してもらえたのは本当にありがたかったと話されていました。

 

介護する側が病気や怪我で介護をできなくなる状況もあります。

制度を知っておくことは自分に何かあったときも慌てずに治療に専念できる環境をつくるためにも役立つ情報になるとはずです
「まだまだ…、たぶん大丈夫?と思いたい」と思っているのだったら、「思い切って、とりあえず!」です。

地域包括支援センターに相談に行ってみることをお勧めします。

 

介護保険制度の説明について詳しく知りたい方は、厚生労働省のホームページもしくは「介護保険 ○○市区町村(←介護が必要な方が住んでいる市町村名)」で検索してみてください。介護保険についての説明や地域包括支援センターのことが調べられます。

 

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佐久間 理央 さん 20141020_sakuma
POLE・STAR株式会社 ディレクター
大正大学大学院人間研究科修士課程修了(社会福祉学)。
私立国際武道大学、社会福祉法人武蔵野療園、社会福祉法人渋谷区社会福祉協議会等を経て現在POLE・STAR株式会社を設立。
主に福祉や生活に関する相談、コンサルティングを行っている。

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