みなさん、こんにちは。
POLE・STAR株式会社の佐久間 理央です。

 

今まで、介護離職をしないための制度等について書かせていただきましたが、最終回の今回はまとめとして、高齢になった親の介護の流れについて書かせていただきます。

 

まず、すぐにでもしておいた方がいいことは、自分のライフプランの見直しです。
定年までどのように働くか、今のまま定年まで会社にいるのか、親に介護が必要になるかもしれないことも、自分の老後もふまえて考えておきましょう。
そこに親や兄弟姉妹の状況も付け加えておくと、親の介護が必要になったときも、長期的な介護をするのに誰がどの程度動けるのか、先を見通す指標になります。

 

次にしておきたいことは、家族での話し合いです。

例えば介護保健の申請にも必要になる、健康保険証・介護保険証・主治医の連絡先・通院している病院の診察券・お薬手帳もしくはお薬一式・印鑑・通帳の場所等を確認しておくこと。

急な病気や怪我での入院となったとき、慌てていてなかなか見つからないものです。保管場所を確認しておきましょう。


そして、介護される側である親に判断が付かなくなったときに、どのような治療をどこまでしてほしいのか、一緒に考えておくといいと思います。

これにはエンディングノート等を活用するのも一つでしょう。

高齢になり、病気がちになったとき、どこまでの治療を望んでいるのか、どのような最期を望んでいるのか、様々な場面で聞かれます。

しかし決断は迷うものです。

決めた後、何年経っても後悔が消えない、という人もいます。

当事者の考えを聞いておけば、迷ったときに指針になります。


話し合いのポイントは、できるだけ家族みんなで集まってすることです。
年十年も生きてきた人生の先輩です。知恵は働きます(いい意味でも悪い意味でも)。

そして様々な機能が衰えていく中で、きっと老いや死への恐怖を感じていることと思います。

だから、いいことを言ってくれたり、優しくしてくれる人のことが大事だったり、その場しのぎでそれぞれに都合のいいことを言っていることもあります。

そのことは責めないでください。本人はその時はそのつもりだったと思うのです。


よくあるのが「私が死んだら○○だけに△△をあげる。みんなひがむといけないからほかの子には内緒」とみんなに生前言っていたという話です。

よくよく突き合わせると、娘や息子だったり、親戚、近所の親しい友人等々、それぞれにそのようなことを言っていたというのはよく聞く話です。

 

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次に、主治医を決めて定期的に受診することです。
病院が嫌いで行きたがらない、という人は多くいます。

また、大病をして大きな病院に数年前までかかっていて、急に介護申請のため意見書を書いてほしいと言っても、受診をしていないので最近の様子がわからないため書けないと言われてしまいます。

 

また認知症が進んだ場合、健康が自慢の高齢者はお医者さん嫌いで連れて行くのが大変、という話もよく聞きます。

理解力があるうちに、定期的に通院しておくのがポイントです。

できれば、在宅での医療を支えてくれる医者を見つけておきましょう。

大きな病気になった場合も、専門医を紹介してくれます。 
 
そして、介護保険制度への申請です。
病気や怪我などのわかりやすい症状が出たときはもちろん、出かけるのが面倒くさい、人と会うのが嫌だ、あちこちが悪くて体が痛い等と愚痴が多くなったときは、介護保険の申請をする一つの目安だと思います。

特に遠距離介護の方にとっては、心強い制度です。

 

介護保険を申請したことで、たくさんの人との関りが生まれて煩雑になり、面倒に感じることもあると思うのですが、それだけ介護が必要な人にとって、関わってくれる人が多いと言いうことです。

急な時に支えてくれる人が多いということは、安心要素が多いと考えるようにすればいいと思います。

 

最後に。
人は老いていきます。不老不死ということはありません。そのことについていろいろな思いがあると思います。

現実としてきちんと客観的に俯瞰できているということは、老いに伴い起こってくることを、ありのまま受け止められる準備になります。

 

仕事をしているあなたにとって、俯瞰することなど当たり前のことだと思いますが、肉親に対する情は割り切れないものもたくさんあるのです。
どんな選択をするにしても情報を集め、整理し、適切に使っていくことが、自分の人生においても、親の介護にあたるにしても大切なことだと思います。

 

※このコラムは今回で最終回となります。ご愛読ありがとうございました。

 

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佐久間 理央 さん 20141020_sakuma
POLE・STAR株式会社 ディレクター
大正大学大学院人間研究科修士課程修了(社会福祉学)。
私立国際武道大学、社会福祉法人武蔵野療園、社会福祉法人渋谷区社会福祉協議会等を経て現在POLE・STAR株式会社を設立。
主に福祉や生活に関する相談、コンサルティングを行っている。

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