初めまして、司法書士の鶴見です。

40代になると友人・知人のお父様が無くなるといったケースも少しずつ出始めてきます。

その後に出てくるのが相続についての問題です。
最近は、「相続で争う家族」ということで「争族(そうぞく)」という言葉を耳にします。皆様の周りでも必ず起こるであろう相続、その時に困らないよう少しでもお役に立てればと思います。

相続という少し重いテーマですが、分かりやすく気軽に読んでいただけるコラムにしたいと思います。

 

そもそも「相続」とは何でしょうか?

「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に属したものは、この限りではない。(民法896条)」
・・・難しいですね。

簡単にいうと、亡くなった方のプラス財産とマイナス財産を引き継ぐということです。

一般的には、“残った財産を受け継ぐ”というプラスのイメージですが、実はマイナス財産も引き継ぐ、というのが相続です。

 

では、プラスの財産もマイナスの財産も全くない場合には、相続の手続きはしなくてよいのでしょうか?
・・・しなくていいのです。引き継ぐ財産が何もないのですから。
ただし、何年か経ってから財産が見つかったり、借金の請求が来たりすることもありますので、注意が必要です。

 

「相続」は、人の死亡によって開始します。
実際に死亡した場合はもちろんですが、法律上死亡したとみなされたときも相続が開始されます。

例えば、法律上死亡とみなされる「失踪宣告」という制度があります。これは、行方不明者の生死が一定期間明らかでない場合に、家庭裁判所に申立てをすることにより死亡したものとみなされる手続です。

相続は、人の死亡によって開始する・・・ということは、死亡した瞬間に、財産が相続人のものになるということです。

厳密にいうと「相続」は、一瞬で始まり、一瞬で終わるということです。後は、相続人が相続した財産を受取るのか、放棄するのか、どう分けるのか、という手続が残るということになります。
死亡した瞬間に財産が相続人のものになるといっても、誰が相続人で、どういった割合で相続すればいいのか悩みますよね。

そこで、民法には「法定相続分」というものが規定されています。
これは、相続人とその相続割合を規定している法律になります。

 

●法定相続分(民法900条)

相続人 相続割合
配偶者のみ(民法890条) 配偶者1
第一順位 配偶者と子 配偶者 1/2 子 1/2
第二順位 配偶者と直系尊属(*) 配偶者 2/3 直径存続 1/3
第三順位 配偶者と兄弟姉妹 配偶者 3/4 兄弟姉妹 1/4

*直系尊属・・・父、母、祖父、祖母等

 

配偶者がいる場合、配偶者は常に相続人となります。
亡くなった方に配偶者と子がいる場合、配偶者1/2子1/2の割合で相続することになります。
また、亡くなった方に、配偶者はいるが子や孫がいない場合、配偶者と直系尊属が相続人となります。

同じように、子、孫、直系尊属がいない場合には、兄弟姉妹が相続人となります。

ただし、この法定相続分があるからといって、必ずこの割合で財産を分けなければならないということではありません。

相続人全員で話し合いをして自由に相続する割合を決めることができるのです。それが「遺産分割協議」です。
例えば、相続人が子3人で、相続財産が現金100万円のみの場合、綺麗に割切れません。

また、財産が家しかない場合はどのように分けるのでしょうか?

・・・結局、法定相続分で相続できないことが多いのです。

 

さらに遺言書がある場合、法定相続分の規定よりも、遺言書に書かれている内容を優先することになります。
このように、法律により相続分が決められていますが、法定相続分で相続財産を分けるのが大原則ではないということを覚えておいてください。

 

【ご相談者からよくいただくご質問】
Q.遺留分というのがあると聞きましたが、遺留分とはなんでしょうか?
A.兄弟姉妹以外の相続人に法律上約束されている相続分です。残された家族の生活を守るための規定であり、侵害された場合には、遺留分を取戻す権利があります。
例えば、小さい子供と妻を残して死亡したが、全財産を愛人にあげたいという遺言書が見つかった場合、残された家族は生活が出来なくなってしまいます。

そういった事態を防ぐために、法律上一定の相続分を保証するものです。

 

Q.内縁の妻は相続人となりますか?
A.内縁の妻は相続人ではありません。相続人となるためには、婚姻をする必要があります。逆に、死亡する直前でも婚姻届が受理されれば配偶者として相続人となります。

 

鶴見 英司 さん yuigon_tsurumi

鶴見司法書士事務所 代表

内装職人を経て、27歳から司法書士を目指し勉強を始める。平成22年度司法書士試験合格後、都内の司法書士事務所に勤務。不動産登記業務を中心に、商業登記、相続登記等の登記業務を数多く担当する。 平成25年6月、鶴見司法書士事務所を開業。

 

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