こんにちは、井上 麻佐子です。

 

「イギリスの食事はまずい」


世界中で貼られてしまったこのレッテル。

最近ではずいぶん払拭されてきてきますし、実際、美味しいところが増えてきたのも事実だと思います。

 

そのイギリスにあって、朝食「イングリッシュ ブレックファースト」はアフタヌーンティータイムとともに、ちょっと自慢したいところ。
今日は、そんなイギリスの朝ごはんについてお話ししたいと思います。

 

「イングリッシュ ブレックファースト」は、「フル ブレックファースト」とも呼ばれ、イギリス全土でいただくことのできる伝統的な朝ごはんです。

 

細かく分けると、スコットランド、アイルランド、ウェールズ、そして、イングランドと地域で内容に若干の違いがありますが、とにかくボリューム満点、栄養満点なところが嬉しい特徴。
早起きして、お散歩でもしてから、たっぷりいただきたいものです。

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まずは、紅茶を一杯。

(ほとんどがティーバッグをポットに入れる。。というスタイルですが、硬質のお水と乾燥した空気のせいか、美味しい!)

 

朝から豪華なイングリッシュブレックファーストを覗いてみると。。。
日本でもおなじみの卵料理、ソーセージの他に、ベイクドビーンズ(トマトソースの茹でインゲン豆で、子供達の給食にも必ず出ていた)、トマト(こちらはなぜか、必ずソテーしてある)、マッシュルーム(ソテーしてあるブラウンマッシュルームのことが多いが、地方では、シイタケくらいの大きさのものもあった)、これに、ブラックプディングと言われるブラッドソーセージも出てきます。

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イギリスでは食事からデザートまで、いろいろなプディングが作られていますが、このプラックプディングは、豚肉とともにその血液も材料の一つとしていて、黒っぽい色をしているのが特徴。

 

この、聞くとちょっと二の足を踏んでしまいそうなブラックプディングの歴史は長く、紀元4世紀頃、古代ローマで冬の保存食として作られ始めた、現在のソーセージの元祖。

それがフランスを通り、イギリスに伝えられたと言われています。

 

少し馴染みにくいと思いますが、せっかくですからイギリスに行ったら、ぜひ試してみてほしいものの一つです。

ちなみにホワイトプディングというものもあり、こちらは15世紀頃にブラックプディングに穀物や牛乳と保存ハーブを入れて作られ始めた、色白のソーセージです。

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それから、キッパー。 これはニシンの燻製です。

大都会のホテルより、郊外のB&B(朝食付き宿泊)で出てくることが多いもの。
このほかに、スコットランドのホテルの朝食では、ハギス(羊肉の腸詰め)も見かけたことがあります。

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ところで、洋朝食には必ず出てくるトーストですが、イギリスのトーストはとっても薄くて正方形のブラウンブレッドが一般的です。

日本でいういわゆる白い山型の「イングリッシュブレッド」はあまり見かけません。

薄いブラウンブレッドがシルバーのトーストスタンドに乗せられているところを見ると、イギリスの朝食だなぁ。。と感じます。

このスタンド、隙間が細いことが多いので、日本で使うために購入するのでしたら、日本サイズのパンも入るかどうかチェックすることがポイントです。

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トーストにつけるジャムといえば、マーマレード。

マーマレードは朝のジャムです。 アフタヌーンティーには出てきません。

そして、マーマイト。

このほとんど日本では見かけないマーマイトは、ビールの酵母を主原料としたもので、とってもしょっぱい!

イギリス人にとっては大好きな懐かしい味だそうですが、日本人で好きだという人に会ったことはありません。

そうはいってもせっかくですから、イギリスに行ったら、ぜひチャレンジです!

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さあ、これにオレンジジュース、フルーツ、ヨーグルトなどなど、十分にお腹を満たすこの朝食。

もともと13世紀頃からの貴族のおもてなしからスタートしますが、その豪華さはスチュアート王朝の最後のアン女王時代、最高潮に達します。

彼女は、お酒も大好き、グルメにしてグルマン(大食漢)。

朝食のリクエストも次第に増えて、最終的には毎朝、8皿もの食べ物が出されたと言われています。

それはのちの産業革命の時代に、労働力の源として労働者階級にも浸透していき、国民的ブレックファーストとなるのです。

 

調理のない(冷たい)ものしか出て来ない、いわゆるコンチネンタルブレックファーストとはずいぶん違う、豪華なイングリッシュブレックファースト。 
忙しい現代、ほとんどのイギリス人はこんな優雅な朝ごはんを食べているわけではありません。

でもイギリスに旅したらぜひ、作家サマセット・モームに「イギリスでは朝ごはんが3食出てきたらいいのに。。」と言わしめた伝統的な朝食を、味わってみてはいかがでしょうか。

 

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井上 麻佐子 さん ls_inoue

慶應義塾大学 経済学部卒業後、外資系金融業界を経て、イギリス在住時、装飾と生活芸術の世界と出会う。
1998年より、ヨーロッパ上流社会の生活の中での芸術、文化、習慣を学ぶ。
帰国後、花装飾の仕事に携わるとともに、2009年より、The Art of Livingの講座、講演、メディア出演 および、執筆活動を行う。
旅行に行ったり、映画を見たり、絵画を鑑賞したりする、現在に生きる私たちの楽しみが、より深くなる、楽しいヨーロッパの歴史、習慣をわかりやすく紹介。
2014年、2015年と、講座受講者とともに行く、「イングランド、スコットランドのツアー」を開催している。
2008年12月より 株式会社ザ・ブーケ 代表取締役 
現在、白金台にて講座開催。


これまでの講座、講演:
出演 
・ NHKラジオ第1  2013年〜2015年 「ごごまり」レギュラー出演 
〜暮らしに華を〜担当:毎回、ヨーロッパの伝統文化、習慣などを生放送で解説。
・スカイパーフェクトチャンネル シアターTV

 

連載 
・プリティープリザーブド(草土出版) The Art of Living ~ヨーロッパの貴婦人たち〜 
・MY GENERATION アーティストの花

 

講演活動 
三菱地所レジデンスイベント、大丸エリアマネジメントイベント、ロータリークラブ、ゴトウ花店イベント、サンタマリア ノッヴェーラ 他多数

 

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株式会社ザ・ブーケ