こんにちは、井上 麻佐子です。

今回は前回に引き続き、イギリスの食文化について書いてみようと思います。

 

1840年頃、イギリス ウォーバン・アビーの館で、館主夫人アンナ・マリア・ベッドフォード公爵夫人によって始められたアフタヌーンティー。

当時、食事は3回になったものの、昼食はかなりの軽食。

しかも夕食は遅い時間になってしまう毎日に、貴婦人たちのお腹は黄昏時にはもうベコベコ。

そこで彼女が友人の女性たちを呼び、紅茶とバター付きパンの「おやつの時間」を始めたのが、アフタヌーンティーの始まりだと言われています。

 

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時は経て、現在。

日本でも多くのところで、アフタヌーンティーが供されるようになりました。

今日は、約170年経った今でも女性たちを魅了し続ける優雅なアフタヌーンティーのお約束、そして、イギリスでの私のお気に入りのアフタヌーンティーをご紹介します。

 

始まりの時にはなかった3段トレイとスコーンがシンボリックな存在の優雅なティータイム。

たくさん出てきたティーフーズは、まずはサンドイッチからいただきましょう。 
もし迷ったら、お食事を想像してみてください。

おかず系から始まり、そして甘いデザートですよね。

それを考えてみればドキドキすることなくスタートできます。

スコーンが温められて出てきたら、せっかくですから、温かいうちにどうぞ。

スコーンは必ず上下に二つに割り、一口サイズにしたら濃厚なクロテッドクリームとジャムをたっぷりと。

なんだか幸せな気持ちになると同時に、確かに、紅茶を飲みたくなるのです。

 

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あくまでも、優雅なアフタヌーンティーのティータイム。
クロテッドクリームと共にスコーンにつけるジャムは、ブルーベリー、ストローベリー、ラズベリーなどベリー系のもの。

貴婦人たちがお散歩した時に摘んできた果物で作られたもの(実際には、メイドが摘んだとしても。。)に限ります。

ハシゴに乗って採る果物のジャムは出されません。

ちなみにイギリスでは、マーマレードは朝のジャムと決まっています。

 

サンドイッチは、薄いパンにキュウリはマストアイテム。

その昔は、イギリスではキュウリは温室がなければ栽培できなかった超贅沢品ですから、何も語らずとも、豊かなお家のステータス。

外すわけにはいきません。

 

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ここで注意!

日本ではあまり見かけませんが、フォークなしにナイフだけが置かれていることがあります。

この場合、ナイフの役割は「塗る」または「割る」です。

切らなくてはならないものは出ないはずですから、間違っても、片手で直接、食べ物を抑えてギリギリとナイフで切ろうとなさらないでくださいね。
また、低いテーブルでのティータイムでは、ティーカップはソーサーも一緒にお膝か胸元まで持って行きましょう。

 

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さて、そんなマナーのプチ情報を頭に入れ、イギリスを訪れたら、迷うほどたくさんの場所でアフタヌーンティーをすることができます。
クラリッジス、ザ・ゴーリング、ドチェスター、ブラウンズ。。数々の一流ホテルのアフタヌーンティーがありますが、最近の私のおすすめは、「国会議事堂内のアフタヌーンティー」です。

もちろん予約が必要で、国会会期中は行われていませんから期間も限られますし、飛行場並みのセキュリティーチエックもあります。

でももし条件が許せば、是非トライしてみてください。

テムズ川沿いの一等地、ゆっくりと回る観覧車と橋を渡る2階建てバスを眺めながら、とても気持ち良く、美味しいアフタヌーンティーをいただけます。

 

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もし、ちょっと郊外まで足を伸ばせるようでしたら、クリブデンハウスのアフタヌーンティーをお勧めします。

こちらのカントリーハウスは、アメリカの大富豪アスター家が所有していた全盛期、チャーチル首相をはじめ、イギリスの頂点に君臨した人たちが招かれ、社交の場として数々のパーティーが開かれた場所です。

この場所は、キャビア、シャンパンなどが出される世界一高いアフタヌーンティーを提供するところ。

お願いすれば、広大な敷地内でピクニックスタイルのアフタヌーンティーだってできるのです。

 

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現在、クリブデンハウスはナショナルトラストの管轄下、ホテルとして営業されていますので、私たちがイメージする(。。普通の)アフタヌーンティーは、ホールやライブラリーでいただくことができます。

広大な緑の敷地に佇む素晴らしい館でいただくアフタヌーンティーは、また格別の趣があります。

 

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今も女性たちが大好きなアフタヌーンティー。 
その一つ一つのアイテムに潜むエピソードやルーツを思い出し、本場イギリスへ想いを馳せれば、さらに美味しい豊かなティータイムとなるのではないでしょうか。

 

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井上 麻佐子 さん ls_inoue

慶應義塾大学 経済学部卒業後、外資系金融業界を経て、イギリス在住時、装飾と生活芸術の世界と出会う。
1998年より、ヨーロッパ上流社会の生活の中での芸術、文化、習慣を学ぶ。
帰国後、花装飾の仕事に携わるとともに、2009年より、The Art of Livingの講座、講演、メディア出演 および、執筆活動を行う。
旅行に行ったり、映画を見たり、絵画を鑑賞したりする、現在に生きる私たちの楽しみが、より深くなる、楽しいヨーロッパの歴史、習慣をわかりやすく紹介。
2014年、2015年と、講座受講者とともに行く、「イングランド、スコットランドのツアー」を開催している。
2008年12月より 株式会社ザ・ブーケ 代表取締役 
現在、白金台にて講座開催。


これまでの講座、講演:
出演 
・ NHKラジオ第1  2013年〜2015年 「ごごまり」レギュラー出演 
〜暮らしに華を〜担当:毎回、ヨーロッパの伝統文化、習慣などを生放送で解説。
・スカイパーフェクトチャンネル シアターTV

 

連載 
・プリティープリザーブド(草土出版) The Art of Living ~ヨーロッパの貴婦人たち〜 
・MY GENERATION アーティストの花

 

講演活動 
三菱地所レジデンスイベント、大丸エリアマネジメントイベント、ロータリークラブ、ゴトウ花店イベント、サンタマリア ノッヴェーラ 他多数

 

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株式会社ザ・ブーケ