今回ご登場いただく、パーソナルスタイリスト麻日奈 芽実さんの印象を一言で言えば
「華やか」
お仕事柄もあって身に着けるファッションも、その顔立ちや雰囲気も華やいでいて、豊かさや余裕を感じさせるオーラを放っています。
事実、母親が一人娘だったので、母方の実家から贅沢過ぎる恩恵を受けて育ったそうです。
父親は仕事がら海外赴任も多く、一家が揃って暮らせたのはパリでの2年程だけ。
その後、中学2年の夏に日本に戻り、今度は関西へ。
そのタイミングで、母親が病に倒れてしまいます。
一年後、闘病生活の末に他界した母親の病気が白血病であったことは、亡くなった後に知ったと言います。
早すぎる母親の死。東京やパリとは全く異なる学校の環境。
高校を卒業するまで、麻日奈さんは現実を受け入れることができなかったそうです。
そんな中でだんだんと父親との関係も悪くなり、麻日奈さんの中では
「早く独り立ちしたいという気持ちばかりが高まっていました」
大学卒業後は家事をすれば良いという父親に対し、籠の中の鳥になるのだけは避けたかった麻日奈さんは、反対を押し切り関西のテレビ局に入社します。
経営陣が父親を知っていた関係もあり、配属先は役員室の秘書。
「非常に忙しかったですが、時代が良かったので次々と華やかなイベントがあり、全社一丸となって取り組む行事も多く楽しく仕事ができました。また役員の方々が本当に素晴らしく交友関係も広かったので、貴重な体験をさせて頂くことができました。
貯金をして2、3年で辞めてパリへ行こうと思っていたのに、毎年引き止めて頂き、気づいたら7年も経っていました」
その後、担当していた役員が急逝し、その手続きが一通り済んだところで退社。
ずっと休みなく働いていた麻日奈さんは、1か月間パリへ。
「私にとってパリは、家族がそろって暮らした思い出の場所。やっと帰ってきたと思いました」
その後、家族が先に戻っていた東京の自宅へ戻り、弟の結婚を母親代わりで対応してから、監査法人トップの秘書として働き始めた麻日奈さんは34歳で結婚。
ですが、子供が欲しかった麻日奈さんとお相手の男性とは考えが合わず。
結果、3年ほどでその結婚生活にピリオドが打たれます。
結婚前に母方の祖母の痴呆が発覚し、東京へ呼び寄せ、孫である兄弟3人で面倒をみていましたが、離婚の時期に祖母も他界するという不運が重なります。
そして3人の子供が結婚してから、父親は60代で再婚。
「離婚をした時は、既に一家を構えている父を始め、妹にも弟にも迷惑をかけてはいけないと言うことを一番最初に考えました」
自分の生活を自分で支えなければならなくなった麻日奈さん。
今度は金融業界に身を投じます。
当時、金融業界は合併・再編の嵐の中。
秘書という立場を超え、社内の調整役を一手に任された麻日奈さんは、無くてはならない存在になっていきます。
「早朝から夜遅くまで慌ただしく、毎日どこかで問題が勃発。本当にストレスフルでしたが、それに見合った報酬だけは頂いていたので恵まれていたと思います」
そして40歳を迎えたとき、麻日奈さんは思ったそうです。
「収入はある。毎日忙しくて疲れている。この先子供を持つのは現実的ではない。子どもを持たず、夫の面倒だけ見るのなら、結婚はいらないな、という結論に行き当たりました」
そして麻日奈さんが46歳の時、父親が他界。
さらにリーマンショックの影響で、職も失ってしまい、再び環境が一変。
「この歳になって全部失ってしまった。これからどうしようかと不安だったし、辛かったですね」
そんな折、麻日奈さんは起業家コミュニティとご縁ができます。
幼少の頃から母親の影響でファッションが好きで、どんなに睡眠不足でも、悲しいことがあっても、いつも身だしなみに手を抜くことなく、おしゃれを楽しみ、全身をトータルコーディネートしていた麻日奈さん。
そこで起業家の先輩たちから、「ファッションの仕事で起業してみては」と勧められます。
「皆さんの後押しがあって、パーソナルスタイリストとして起業することを決めました。支持してくださる方々のお蔭で起業当初からお客様に来ていただき、ものすごく励みになりました」
途中、東日本大震災もあり仕事の上で心配はあったものの、多くのお客様から支持を集めるパーソナルスタイリストとなった麻日奈さんは言います。
「現実を受け入れることができたら、人は強い。受け入れられずに「たら・れば」の中で生きているのが一番つらいし、動けない。いかに早く受け入れて、自分の中で消化していくか、次のアクションを起こすかが大事なんだと思います」
あわせて“装う”ことの大切さも感じています。
「辛いことがあっても笑顔を意識しているとだんだん楽しくなってくるように、自分がどうありたいのかを考え、それをまず外見の装いから整えて行く。目で見て、心で感じることでスイッチが入り、自分の内面が変化して日々の行動が変わり、なりたい未来を引き寄せることができると私は思っています」
波乱万丈の人生の中、常に前向きに歩みながら自分の道を切り開いてきた麻日奈さんならでは、説得力ある言葉です。
★ソロネーゼへの、7つの質問
― あなたにとって仕事とは?
「大切なパートナーのようなものです。
大好きで、いつも一緒でも楽しくて、飽きなくて、もっと知りたくて、共に成長したくて、
そして、自分の居場所でもあります」
― お金は貯める方ですか、使う方ですか? 将来に向けて蓄えていますか?
「お金は使うもの。
使うから回ると信じています(笑)」
― あなたにとって住まいとは?(購入派? 賃貸派?)
「生活スタイルによって変えることが可能という意味では賃貸派。
でも、家族がいたら購入派だったかもしれません」
― 結婚については?
「50代で再婚する・・・と掲げています。
口に出しているだけですが(笑)
離婚後は目いっぱい1人を楽しみ、頑張って来たので、そろそろ2人を楽しんでもいいかな~と。
また、何かあった時に妹弟に迷惑をかけないように・・・ということも考えてしまうので。
これから子供を産んで家族を作るという結婚ではないからこそ、価値観の合う方がいらしたら、60代以降に向けて、お仕事以外のパートナーがあっても良いと思っています」
― 夢や目標はありますか?
「具体的には、
地方や海外でもお仕事をする。
ステキな人やモノを紹介して、人が集える自分の場所も持つ。
この仕事がヘアやネイルのように使われるサービスとなるよう認知度、利用度を上げる。
そして、50代以降も楽しめることを発信して、
高齢化社会でも多くの方が装いというツールを活かして、
イキイキと自分の人生を楽しむお手伝いをしていけたら嬉しいです」
― どんな風に歳を重ねていきたいですか?
「いつも心から笑っている余裕のある人になりたいです。
困っている人がいたら、何か少しでも力になれる人であれば、なお嬉しいと思います」
― どんな人生だったら、幸せだと思いますか?
「自分の仕事(役割)を持ち、心身共に健康で、経済的に豊かに、いろんなことがあったよね~と
家族や友人たちと笑っていられたら幸せですね~。
まだまだ努力の途中です^^」
麻日奈 芽実 さん | ![]() |
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MAGNIFIQUE(マニフィック)代表 装いコンシェルジュ 大学時代は読者モデルとして多数のファッション誌に登場し、大手企業で20年を超える役員秘書経験を持つ。 経営トップの下、一流のホスピタリティを身につけ、子ども時代のパリ在住経験をはじめ、早くからホンモノに触れたことによって培われたセンスを活かし、現在はパーソナルスタイリストとして活躍している。 40代、50代女性を中心にライフスタイル、職業から求めるイメージと内面の魅力を引き出し、装いというツールを通じて、なりたい自分の未来を作ることを提案している。
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