「茶道」と聞いて、皆さんどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか?
静かな茶室、着物、作法・・・かなりハードルが高い印象ですよね。
そんな茶道にもっと気軽に親しんでもらおうと、初心者向け茶道教室『和心美茶道教室』を開いているのが、渡辺ちえさんです。
「私の茶道教室では、洋服・手ぶらでご参加いただけます。また椅子に座って行いますので、正座が苦手な方にもご好評いただいています。月1回のお稽古で、点前作法やお茶の心、楽しさをしっかりお伝えしています」
渡辺さんは着物好きな母親や叔母の影響もあり、5~6歳の頃から、近所にあった茶道教室に通っていたのだとか。
教室で出されるお菓子目当てもあってはじめた茶道でしたが、茶道に対する気持ちが薄れることはなく稽古を続け、20代中頃には流派から、専任講師の資格と茶名をいただいたそうです。
が、茶道を仕事にするのはなかなかハードルが高いのだとか。
「お茶室や道具を揃えることを考えると、私も含めて多くの方が、茶道教室を開くのを断念します」
その当時の渡辺さんも、茶道はあくまで趣味。
パソコンインストラクターなどの仕事をしていました。
が、何をやっても今一つ自分にしっくりこないまま数年が経過。
転機が訪れたのは、6年ほど前。
友人から言われた「あなたにはお茶の心があると思うから、それを伝えたほうがいいよ」という一言で、渡辺さんの中のスイッチが入ったそう。
「同じ時期に、子供の頃からお茶を教えてくださっていた先生がお亡くなりになって、教えていただいたことを無駄にしてはいけない、という気持ちもありました」
お茶の道へと進み始めると、カルチャー教室などから講師の仕事などが舞い込み始めたのだとか。
今では表参道・千葉の教室で、20名以上の生徒さんを教えています。
そんなお茶の魅力を教えていただくと、
「茶道はお茶そのものだけでなく、掛け軸、お花、陶磁器など、日本文化全体を楽しむことができます。知れば知るほど奥が深いです」
また心理的な効果もあるのだとか。
「茶道を学ぶことで、心が穏やかになり、自分自身を見つめなおし、気持ちの切り替えが早くできるようになります。また美しい所作を心掛けることからアンチエイジング効果も期待できます。長くお茶を教えていらっしゃる先生方は、みなさん背筋も伸びていて素敵ですよ」
「お茶は、四季を大切にし、五感で感じますので、より豊かな生活が得られ、世界が広がるきっかけになります。気持ちの余裕も出てきますので、仕事をバリバリしている女性の皆様にも、ぜひ体験していただきたいですね」
そんな風に、穏やかに話す渡辺さんが印象的でした。
★ソロネーゼへの、7つの質問
― あなたにとって仕事とは?
「新しいことにチャレンジできたり、自分を成長させてくれるもの。好きになれない雰囲気の会社もありましたが、振り返ると自分の身になっていることもありました」
― お金は貯める方ですか、使う方ですか? 将来に向けて蓄えていますか?
「自分が何かにチャレンジするために使う方です。使いたい分は稼ごう、とも思います」
― あなたにとって住まいとは?(購入派? 賃貸派?)
「今は両親と暮らしていますが、将来的にはどうなるかわからないですね」
― 結婚については?
「結婚しない主義ではありません(笑) 外に出て仕事がしたく、束縛されるのが苦手なので、そういったことも受け入れて一緒に人生を楽しめる方がいるといいですね」
― 夢や目標はありますか?
「茶道教室を数年やってみて、仕事の幅をもっと広げていきたい気持ちが強くなりました。茶道の心を応用して、社員研修など手掛けられたらいいですね」
― どんな風に歳を重ねていきたいですか?
「私は日本舞踊も習っていたのですが、その先生は女性としても師匠としても尊敬できる方。お幾つになっても女を忘れず、かわいく、器が大きい。師匠のような女性になりたいです」
― どんな人生だったら、幸せだと思いますか?
「やらないで後悔するのは嫌なので、やりたいことを存分にやれる人生にしていきたいです」
渡辺 ちえ さん | ![]() |
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和心美STYLE 主宰 裏千家専任講師 保険会社に約10年勤務。転職後配属された教育部で教育の面白さを知る。その後、パソコンインストラクター、ビジネスマナー講師などに携わりながらも自分の一番伝えたいことを探る。 茶道は敷居が高いと思われる方が多いが、「茶道は生活文化」であり日常の生活や仕事にも活かせるもの。豊かな心、丁寧な生活を大切にした「和ごころ美人」になっていただきたいという想いで、茶道の楽しさ・美意識・日常に活かせる茶道の心を伝えている。 「気軽に参加でき、日々慌ただしい中で和の文化に触れて落ち着く時間が持てる」と30~40歳代の仕事や家庭が忙しい世代にも好評。 最近は、企業をはじめ、地元教育委員会などからのご依頼で茶道体験レッスンも開催。多くの方へ茶道の心を伝えるべく活動している。
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