「女性の人生には二度の思春期がある」
こんなキャッチフレーズで昨年スタートした、オトナ思春期をデザインするプロジェクト『オトハル』。
このプロジェクトを立ち上げたのが、今回ご登場いただく三好 洋子さんです。
現在50代の三好さんがどんな人生を歩んできたのか、そして『オトハル』に込めた想いなど、いろいろとお話しいただきました。
-現在は商品企画や出版プロデュースのお仕事をされていらっしゃいますが、もともと企画や出版に関わる会社にいらしたのですか?
「いえ、短大を出て最初に入ったのはリクルートで、契約社員でした。その一年後、実家の岡山に戻ることになり、ベネッセ(当時 福武書店)に入りました。みなさんご存知の進研ゼミに関わる仕事を最初は主にやっていました」
-ベネッセ在籍中に、『たまごクラブ』『ひよこクラブ』といった出産育児雑誌の立ち上げに携わったということですが、教育とはちょっと畑が違いますね。
「当時は社内的に新規事業を立ち上げようという風潮になっていて、雑誌事業もその一環でした。私は岡山の本社で営業や人事もやり、10年ほど勤務した後に東京に転勤して、出版の仕事に就きました。最初に関わったのは、創刊したばかりの20代女性向け雑誌でした」
-個人的にも社内的にもノウハウのない出版の仕事は大変だったのでは?
「仕事は大変な場面も必ずあると思うのですが、その雑誌も休刊になり、かなりの赤字を出してしまった時は生きた心地はしませんでした。
上司から、前にいた進研ゼミの仕事に戻るか、秘書になるか、同じ部署で新雑誌のプロジェクトをやるか、どれかを選べと言われました。
ただ同時に、このまま逃げると仕事の失敗で負った傷は仕事で取り返さないと傷は残るぞとも言われ、私もそう思ったので新雑誌のプロジェクトをスタートすることにしました」
-まさに背水の陣ですね。
「どんなジャンルの雑誌ならば私たちに作れて、勝負に勝てるかを新しいメンバーで必死に考え、最後に残ったのが出産育児というジャンルでした。当然その分野にも競合する歴史ある雑誌はあったのですが、それらとは違う、一番求められているママたちの声で創る内容にしていこうと決めて作りました。お陰様で創刊から6号で、発行部数トップに立てました」
-いろいろなご苦労をされていらっしゃいますが、当時の三好さんを支えた仕事に対するモチベーションは何だったのでしょうか?
「私は高校から短大、就職まで暗い時代を過ごしてまして(笑)、自分が生きていく意味があるのかしら? なんて考えていました。それが仕事ではじめて認めてもらえるという経験をして、新鮮だったんですね。
がんばるとそれが評価されて、少なくともその分野では生きていてOK、なんて思えるのがありがたくて仕事をしていた、という感じですね」
-そんな三好さんが独立し、昨年スタートしたのが『オトハル』というプロジェクトですが、これはどんなきっかけだったのでしょうか?
「女性の人生には2度の思春期があると気が付いたのです。
一度目はいわゆる10代の思春期。二度目は、狭い意味では更年期と呼ばれる時期です。
この時期には身体にも変化がやってきますが、一度目と違って家族のことや仕事、将来、親といった、自分を取り巻く環境が大きく変化していく人生の地殻変動の時期でもあります。
そういった変革期にあるんだ、とまず知って、その先の人生に向けた<新しい自分>を誕生させる前向きな取り組みをしていこうというのが『オトハル』のコンセプトです。今後の人生に役立つ学びや出会いの場を定期的に開催しています」
-たしかに自分のことだけじゃなく、介護など周りの出来事が自分に与える影響も大きくなってくる時期だと思います。
「今の40代後半は総合職として働き始めた最初の世代で、一部の管理職を除けば、だんだんと会社での居場所がなくなってきたりします。また自分たちの先輩たちが歩んできた時代とは違うので、なかなか参考にならなかったりしますので、迷いや悩みも大きくなりがちです。ですがそういう変化の時期だからこそ、今の時代の新しいオトナになるための準備を一緒にしていきたいですね」
三好 洋子 さん | ![]() |
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一般社団法人オトナ思春期をデザインするプロジェクト 代表理事 たまひよ事業部長後 退職。
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