「確定申告」は実は意外に“使える手段”であることをご紹介するコラムの後編。
まずは、女子の皆さんにあり得るであろうワンポイントアドバイスから


◎ワンポイントQ&A

Q1.複数の証券会社で取引をすると、メリットがあるの?
A1.最近では、給料が増えないため、証券会社で資産運用をしている女子も多くいます。
そんな人が受けられるメリットがあるんです。
利子や配当は証券会社ごとに口座管理されているため、特定口座を開設している場合には原則として確定申告は不要です。
ですが複数の証券会社で口座を開設している場合、証券会社ごとの赤字や黒字をまとめて計算してくれることはありません。
もし複数の証券会社で赤字や黒字がある場合には、赤字と黒字を確定申告で相殺することで、その分、税金が戻ってくることになります。

Q2.生命保険料控除の申告忘れや申告漏れが、年末調整の後でわかった場合はどうしたらいいの?
A2.年末調整に手続きが間に合わない場合や、書類の紛失等で申告を忘れるというケースもあります。この場合、個人で確定申告を行うことで年末調整で受けられなかった税金の還付を受けることができます。
会社での年末調整は、必ずしもしなければならない必須ではありません。会社で年末調整をせず、他の所得等の確定申と合わせて個人で生命保険料控除の確定申告をしている人もいます。

Q3.会社以外で副収入があったときは、どうなりますか?
A3.会社以外で副収入があった場合、収入が増えるため、単純に考えると所得税が増えることになります。
その副収入が年20万円を超えてしまう場合は、確定申告が必要です。年20万円以下なら確定申告は不要です。
確定申告が必要な場合、収入に対して経費を差し引くことができます。
もし原稿料の収入であれば、原稿作成に必要な書籍代や取材の交通費などは経費とすることができます。また、通信費や文房具、パソコンも一定額までであれば経費として認められる可能性もあります。

Q4.副業を会社にバレないようにするには?
A4.よく、副業をすると会社にばれるのでは?と心配する声も聞こえてきます。会社にばれるのは副業の収入があり、所得税や住民税が上がってしまうから。会社の給料担当者は、この住民税を見て、給料以外の収入があることに気づくのです。
これを防ぐためには、確定申告の住民税の納付方法選択欄で「自分で納付」を選ぶと、副業収入分は自宅に納付書が届き、会社にバレないようになります。


●アルバイトをしている人の注意点

アルバイトをしている場合、自分で「国民年金保険料」や「国民健康保険料」を収めている人も多いのではないでしょうか?

「厚生年金」や「会社加入の健康保険」を支払っている場合は会社が手続きをしてくれているので、「社会保険料控除」が引かれた上で所得税が計算されています。逆に自分で収めている場合は、自分で確定申告する必要があります。

各自治体や収入によりまちまちですが、国民年金保険料は平成24 年度で毎月14,980円×12か月=179,760円にもなります。国民健康保険料と合わせると少なくとも20万円程度は控除が受けられるのです。
必要な書類は国民健康保険料については特にありません。

支払った額が不明な場合は各市町村で国民健康保険料納税証明書を発行してくれます。
国民年金については国民年金の控除証明書(毎年11月頃に送付される)が必要です。
国税庁タックスアンサー:社会保険料控除

また複数の勤務先から給与の支払を受けている方の注意点です。
所得税は年間の所得が103 万円以下だと課税されません。
仮に勤務先Aから年間80万円、勤務先Bから年間50万円の支払を受けたケースを考えてみましょう。
各勤務先では103万円以下の給与支払なので所得税の源泉徴収は行いません。しかし、合計では130万円となるので、所得税を納付する必要があるわけです。このような場合には確定申告をする必要があります。自分の給与明細で源泉徴収が行われているか確認してみましょう。


◆では、どうやって確定申告をする?

今年の確定申告は、2月18日~3月15日に、前年分(1月~12月分)を申告することができます。
ただし実際には2月15日よりも前に受け付けてくれます。
原則的には、早く申告すればお金が戻ってくるのも早くなります。

申告するのは最寄りの税務署。
ここで必要な申請書類をもらい、記入して、各種証明書類とあわせて提出します。
丁寧な書き方の手引書があるので、その内容通りに進めればさほど難しくはありません。
まずは用紙だけを税務署で入手し、休みの日に部屋で落ち着いて申告書類をまとめるのがオススメです。

最近ではインターネットで確定申告を行える「e-Tax」というサービスもありますが、利用する前に登録手続きが必要なので、時間に余裕を持って使うことをオススメします。


◎ワンポイント:所得税の計算をする5つのステップ

① 収入 - 経費 = 所得
② 各種所得を合算 → 黒字と赤字を損益通算する。
③ 各種所得合計 - 所得控除 = 課税標準
④ 課税標準 × 税率 - 控除額 = 所得税額
⑤ 所得税額 - 税額控除 = 所得税納税額

① まず、源泉徴収票で、収入と所得の言葉の違いを理解しましょう。
収入とは・・・支払金額
所得とは・・・給与所得控除後の金額(支払金額から給与所得控除を引いた額)
所得税を計算する際、「所得」に応じて税金を計算します。

② 所得には、以下の10種類があります。
損益通算できるのは、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の4種類のみです。
※損益通算とは、10種類の所得を合計する際、損失が出た場合に、他の所得と相殺すること。損益通算ができるのは、上記4つに限られます。これら以外の所得で赤字が出たとしても、他の所得と相殺することはできません。

・給与所得
・一時所得(生命保険の満期金の受け取り、賞金など一時的に発生するもの)
・不動産所得(土地や建物などの不動産を貸し付けによる所得)
・事業所得
・利子所得(貸付金や債権の利息。通常は受け取り時に源泉徴収されるため、申告不要です)
・配当所得(株式の配当など。特定口座の場合は原則申告不要です)
・譲渡所得(株式や不動産、その他の資産を売却して得た所得)
・雑所得(年金、副収入の原稿料やFXなどの所得)
・退職所得
・山林所得

③ 所得の合計から所得控除を差し引いて、実際に所得税がかかる課税標準を算出します。

【ポイント!】所得控除の種類は14種類
●会社員は年末調整で11種類の所得控除を計算しているため、原則申告不要です。
基礎控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、障害者控除、寡婦(夫)控除、勤労学生控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除
●自分で申告が必要な所得控除
・医療費控除→本人や生計を一にする親族の医療費を一定額以上支払った場合
・雑損控除→災害や盗難で、本人やその家族の受けた被害が一定額を超えた場合
・寄付金控除→国や公益法人などに特定の寄付金を支払った場合

④ 所得税額は、収入金額ではなく、課税標準に対してかかります。

⑤ 所得税を減額することができる、所得税額控除の主なものに住宅ローン控除や配当控除があります。
・住宅ローン控除→要件を満たす住宅ローンを組んだ場合に適用されます。


最初はとっつきにくいかもしれませんが、払い過ぎた税金を取り戻すのは当然の権利。
ぜひ、想定外の臨時収入が得られるかどうか、確定申告にチャレンジしてみてください。