自分の好きなこと、やりたいことを一生の仕事にできたら・・・
そんな、ともすると妄想で終わってしまう夢をしっかりと形にし、35歳を過ぎてから起業した女性たちにスポットを当てるインタビューの第二弾。
今回は、極度の人見知り状態であったにも関わらず自ら努力でそれを克服し、現在は人と人との円滑なコミュニケーションづくりをサポートする“コミュニケーションスタイリスト”という肩書で活躍されている吉戸 三貴さんにお話を伺いました。


-「コミュニケーションスタイリスト」という肩書はあまり耳慣れないのですが、どのようなお仕事なんでしょうか?

「一言でいえば、「様々なコミュニケーションに関する課題解決をする」というのが仕事内容になります。
具体的な仕事は大きくわけると3つあります。1つは、企業や団体様のご依頼をお請けして、PR業務やそのコンサルティング、ブランディングなどを行っています。
2つめはコミュニケーションに関する講演やセミナー、研修などの講師、3つめは個人の方の様々なご相談に応じるコンサルティングです」


-コミュニケーションに関する課題解決ができるということは、昔から吉戸さんは人とのコミュニケーションが得意だったんですか?

「実は全然真逆で、昔は極度の人見知り状態。コミュニケーションは大の苦手でした。
20代半ばまでをそんな状態のまま過ごしていたんですけど、あるきっかけがあってフランスに留学したんですね。
その時にできた友人からの「あなたは幸せでいなくちゃ」という一言に触発されて、努力して自分を変えていきました」


-フランスから帰国されてから、すぐ起業されたんですか?

いえ、しばらくは会社員でした。沖縄美ら海水族館の広報などを経て、東京のPR会社に転職してプランナーとして仕事をしていました。PRは、たまたま水族 館で出合った仕事でしたが、こんな世界があるんだ!という感じで、好きになりました。広い意味では、コミュニケーションにも関係しますね。
このPR会社にいる頃から、私自身が実践してきたコミュニケーションに関して質問をされることが多くなってきたんです。

-どんなコミュニケーションをしていたんですか?

「いくつかありますが、そのひとつは、手書きで気持ちを伝える、ということです。
家族がみんな筆まめで、何かの折につけては手紙を書く習慣があったんですけど、それを仕事でも何の気なしにやっていたら、思いのほか喜ばれることが多かったんです。
また社外の人にもよく簡単なお礼のハガキを書いていたのですが、自然と、名前を覚えてもらえたり、何かの時に相談をされたりする機会が増えてきました。
私自身は無意識でしたが、手書きのカードやメモって案外みんな書くことがないので、印象に残りやすくなっていたようです。

そんなことがきっかけで少しずつ、頼まれて人前で話したり、何かを書いたりというコミュニケーション関連の仕事が増えてきました。
会社からも新しいプロジェクトとして取り組むサポートをもらっていたんですが、会社員としての二足のわらじを続けていてはどこかで中途半端になるような気がして、思い切って自分が考えるコミュニケーションを軸にした仕事で起業しました」


-まさに手書きのコミュニケーションが人生を変えたわけですね。

「私の場合は、本当に、大きなキッカケのひとつと言えますね。
最近はみんなメールばかりになってしまって、手書きで何かを伝えることって少なくなっていると思うんですけど、相手のことを思ったり、実際に手を動かして 感謝の気持ちを伝えたりすると、まず自分が嬉しい気持ちになれますし、たまに、相手から前向きな反応が返ってくると、続けるのも楽しくなります。書いてい るうちに、言葉の選び方や文字など、個性みたいなものも現れるようになってきて、ますます印象に残りやすくなっていくんですよね。

もちろん、感謝など、相手への気持ちは、見返りを求めず書く、伝える、が基本ですが、みんながメールばかりになっているからこそ、ちょっとしたことでも手 書きをすることで、心に残りやすくなると思います。付箋に一言書くくらいなら、すぐに始められるのでオススメですよ」


-吉戸さんが起業するにあたって、強い決意はあったんですか?

「私の場合は起業ありきの選択ではなかったんです。
自分の今後の人生について考えたときに、今の会社にいること、自分にできること、これからやってみたいこと、どうしてもやりたくないことなんかを数か月じっくり考えて、消去法で選択していったら起業という道が残った、という感じですね」


-実際に起業してみて、いかがでしたか?

「予期せぬことの連続で、大変なことや不安になることも、もちろんあります。まだまだ、本当に小さな会社ですし。
ですが、丁寧にひとつひとつ、仕事を積み重ねる中で、お蔭様でPR業務も含めていろいろな方面の方からご依頼をいただいていて、精一杯それにお応えしている毎日です」


-個人のお客様ではどんな相談を受けることが多いですか?

「私にご相談くださるのは圧倒的に女性が多いんですけど、特に多いのは「仕事」と「恋愛」に関することですね。
「仕事」では転職や起業といった、現状を変える新しい挑戦に関することが多いです。
女性の起業家の方がいらして、社員の前では口にできない悩みや迷いを吐き出されることもよくあります。
「恋愛」では相手との関係やどうコミュニケーションをとっていけば良いか、といったお悩みが多いです。

こういったことは友達に相談すれば良いじゃないかと思われる方もいるかもしれませんが、いろいろ知っている関係だからこそ隠し事なく、自分の深い部分のと ころまでオープンにするのは抵抗があったり、友達の負担になるのではと遠慮したりと、すべてをさらけだしては話せないという人は多いんです。
こまごまと日々の相談はするものの、話を聞いてもらうだけ、共感してもらうだけで根本的な解決ができなくて、いつも自分の頭の中で堂々巡りをしてしまうので、一度しっかり整理をして前に進みたいと思われて相談にいらっしゃる方が多いです。
そういう方は、連絡をくださる時点ですでに一歩解決に向けて踏み出しているので、セッションの後も具体的な行動に落とし込める方が多いですね」


-最後に、サイトを見ている皆さんにメッセージをいただけますか。

「コミュニケーションについては、私自身、長い間苦労して克服してきたので、もし、自分の「今」や「これから」で悩んでいる方がいたら、悩みから抜け出す お手伝いができたらと思っています。コミュニケーションは着替えることができる、と信じていますから。

日本はまだまだ悩みを相談する、課題の解決をアウトソーシングするということに抵抗がある方が多いように思います。
でも、買い物やお酒などでストレス発散できない、という状態が続いて、心の中がモヤモヤするようなら、一度じっくり、自分の悩みに向き合ってクリアにして した方が、スッキリ前に進んだり気持ちよく毎日を過ごせたりすると思います。気軽に、相談にいらしていただきたいですね」

 

◆編集部の一言
お会いした吉戸さんの第一印象は、「とてもカッチリした人」。モノの考え方もとてもロジカルに思えました。
こういう人に相談をすると、こんがらがった気持ちをキチンと整理してくれて、何が原因なのか・どうすればいいのかが明確になるんだろうなぁと感じました。

 

吉戸 三貴 さん
沖 縄生まれ。小さい頃からコンプレックスだらけで、努力しては挫折の繰り返し。26歳、パリ留学をきっかけに人生を楽しみつくそうと決意し、憧れのPRの世 界へ転身。国立劇場おきなわや沖縄美ら海水族館をへて、オズマピーアールへ。在職中、表参道に住み働くライフスタイルや、短時間で人に覚えてもらえる独自 のコミュニケーションメソッドが注目され、各地でセミナーを開催するようになる。

より多くの人に、服を着替えるようにコミュニケーションを着替える楽しさを知ってもらいたいとの思いから、株式会社スティルを設立。働く女性を中心に、コミュニケーション課題の解決や目標達成のサポートをしている。

◆株式会社スティル ホームページ

 

吉戸さんの著書「心に残る人になるたった1つの工夫」
吉戸さんが実践してきた手書きによるコミュニケーションについて、その効果や実践方法をわかりやすく解説した一冊。
読まれた方からは早くも「実践してみます!」という感想が届いているそうです。
「今」をちょっと変えたい方、コミュニケーションに悩みを抱えている方におすすめです。

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